業界用語辞典 - 傷病

看護に関することをいろいろと調べたくても、使われている言葉の意味がよくわからなくて十分な理解ができていないのではないでしょうか?看護に関する言葉の意味をわかりやすく解説し、難しい専門用語が解決できる業界用語辞典のページです。

亜急性期

あきゅうせいき。
医療現場での時間経過を表す言葉のひとつ。
急性期の段階を過ぎて病状が安定し、リハビリや退院支援を行う段階にある状態のこと。回復期とほぼ同義で使われる場合が多い。
同様の言葉には、急性期、回復期、陳旧性、慢性期、終末期などがある。

アシデミア

血液内の酸塩基平衡が酸性化しようとする状態のこと。
生体の血液の酸塩基平衡は、ホメオスタシスによって常に一定(pH7.4)に保たれているが、この血清pHが7.4未満に低下するとアシデミアと呼ばれる。pHの測定は血液ガス分析によってなされる。
アシデミアの逆にpH7.4を超える状態をアルケミアという。
アシデミアやアルケミアなどのpH異常は呼吸不全や腎不全など重篤な疾患の結果として生じるものである。

アシドーシス

Acidosis。
体内の酸塩基平衡を酸側に傾かせようとする力が働いている状態。逆に塩基性にしようとする動きをアルカローシスという。
ホメオスタシスのひとつ。

アストマ

喘息発作のこと。ドイツ語Asthmaに由来。
カルテに記入する際に記されたり、申し送りの際「既往歴にアストマあり」「アストマの薬を服用中」などと使われたりする。
同様の看護用語には、パンペリやディメンツ、アレストなどがある。

アッペ

虫垂炎(盲腸)のこと。虫垂炎を意味する英語Appendicitisに由来する。
薬で散らして治療を行うことを「アッペを散らす」などと言う。
症状を意味する略語には、アイテル様やアネミ、アテレクなどがある。

アテレク

肺炎や気道の閉塞などにより、肺に空気が入らない状態のこと。看護師などが臨床の現場で使う略語。
無気肺(むきはい)を意味する英語、Atelectasisに由来する。
患者の症状を意味する略語には、他に、タキル、アレスト、ステるなどがある。

アテローム硬化

動脈硬化の一種。粥状硬化ともいう。
粥腫と呼ばれる脂質(特にコレステロール)が動脈壁に沈着する症状。アテロームとは粥腫のことである。
詳しくは動脈硬化、粥腫の項を参照。

アディー症候群

特発性の縮瞳障害。突然片目のピントが合わなくなり、それと同時に光が眩しくてたまらなくなる疾患。
レーシック手術の後などは、アディー瞳孔の眼は光がにじんで見えたり、眩しく感じたりする場合がある。
アディー症候群は片目だけに起きることがほとんどで、患者の70%が女性である。 アディー症候群は、糖尿病やアルコール中毒、梅毒といった疾患に伴って発症する場合があるので、診断の際にはこのような全身疾患が見られないか注意が必要とされる。

アナフィラキシーショック

Anaphylaxis Shock。
外部から入ってきた抗原への過剰な免疫反応が原因で引き起こされるショックのこと。急性かつ重度のショックである場合が多い。ハチの毒や食物のほか、薬剤・血清の投与などがきっかけで発症する。
アナフィラキシーショック反応の症状は、じんましんや皮膚紅潮のような比較的軽いものから、呼吸困難や意識障害のように生命をおびやかす重篤な症状まで様々である。
アナフィラキシーショックの場合には迅速な処置が必要となり、アドレナリンの注射や血管確保、呼吸路確保などが行われる。

アニソコ

瞳孔不同を意味する略語。瞳孔不同を意味する英語、Anisocoriaに由来し、アニソコリー、アニソコリアとも呼ばれる。
詳細は瞳孔不同を参照。

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アニソコリア

瞳孔不同のこと。
瞳孔の大きさが左右で違う状態。先天的なものと後天的(病的)なものがある。
詳細は瞳孔不同を参照。

アニソコリー

瞳孔不同(瞳孔の大きさが左右で異なること)。先天的なものと病的なものがある。詳細は瞳孔不同を参照。

アネミ

貧血のこと。貧血を表す英語、Anemicから。
看護師が使う業界用語としては、他にアナムネ(あなむね)やゼプ(ぜぷ)などがある。

アネミー

貧血。ドイツ語のAnamieに由来。アネミともいう。
臨床現場で使われる業界用語である。
同様の用語には他に、アッペやエデマなどがある。

アブレーション

アブレーション治療のこと。電気焼灼(でんきしょうしゃく)ともいう。
不整脈治療に用いられ、カテーテルの先から高周波電流を流して、接している心筋組織を小さく焼き切る手法である。「取り除くこと、切除すること」を意味する英語、Ablationに由来する。

アブレーション治療が適応される不整脈は以下のものである。
(1)WPW症候群 (2)房室結節回帰性頻拍 (3)心房粗動 (4)心室頻拍 (5)心室性期外収縮 (6)心房頻 拍 (7)心房細動

アブレーション治療は開胸手術が不要なため患者の身体的負担が軽い、手術が成功すれば根本的な治療となるといった長所がある一方、内出血や欠陥損傷、房室ブロックや血栓塞栓症などの合併症を引き起こす恐れがある。

アルカローシス

Alcalosis。
ホメオスタシスの一種で、体内の酸塩基平衡を塩基性側にしようとする状態。反対の状態をアシドーシスという。

アルケミア

血清pHが7.4より上になった(上昇した)状態のこと。血液が塩基性に傾こうとしていることを示す。
アルケミアの反対に、血液が酸性化しようとする状態のことをアシデミアと呼ぶ。
血清pHは血液ガス分析によって行われる。
アルケミアやアシデミアは、全身の細胞にとっては環境の異常であり、最悪の場合には死に至ることもある。

アンステーブル

不安定狭心症。切迫心筋梗塞とも呼ばれている。
詳しくは不安定狭心症を参照。

安静狭心症

寝ている時など安静時に発作が起こる狭心症。不安定狭心症がこれに属する。

安定狭心症

発作の起こり方が一定している狭心症。発作の起きる状況や強さ、継続時間などが類似しているものをいう。
労作性狭心症の大部分がこれに属し、心筋梗塞に移行する可能性は低いと考えられている。

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一酸化炭素

化学式:CO
無色・無臭・可燃性のガス。酸素が不十分な環境での燃焼により発生し、閉鎖した部屋でのストーブやガス湯沸し器などの燃焼による一酸化炭素中毒事故が起こっている。
一酸化炭素は、酸素の250倍もヘモグロビンと結びつきやすい性質を持ち、少量の吸入でも血液の酸素運搬能力を低下させ、酸素欠乏状態を招く。
軽い中毒症状は頭痛・吐き気・耳鳴り・めまいなど、風邪の症状に似ている上、無色・無臭のため、一酸化炭素中毒の患者は自身がそうであると気付きにくい特徴がある。
さらに一酸化炭素中毒の症状が進むと手足がしびれて動けなくなり、意識を失う。最終的には呼吸機能や心拍機能を抑制され死亡に至る。また、一酸化炭素はヘモグロビンと結びつくと、赤く発色するため、一酸化炭素中毒患者は一見、顔色が良く見えるという特徴も持っている。

イレウス

Ileus。腸閉塞。
腸管内が閉塞され、通過障害を起こした状態。詳細は腸閉塞を参照。

イレウス

腸閉塞。Ileus。
食べ物などが腸に詰まって通過障害が起きている状態。腹部が張るなどの症状のほかに、腹痛、吐き気などが挙げられる。

胃瘻

いろう。胃ろうとも書く。
主に口から食事を摂取することが困難な患者に対し、手術で皮膚と胃に瘻孔(ろうこう)を作ってそこにチューブを通し、水分や栄養素を流入させる処置。経腸栄養法のひとつ。
詳細は胃ろうを参照。

胃ろう

胃瘻。経腸栄養法のひとつ。
経口摂取が困難な患者に対し、体外から胃に繋がる穴を開けてチューブ留置し、栄養剤や水分を直接投与する栄養補給方法。外科手術的に作成する方法と内視鏡的に作成する方法(PEG(Percutaneous Endoscopic Gastrostomy))がある。

インスリン抵抗性

インスリンの効き目が低下している状態のこと。インスリンは、食物に含まれるブドウ糖を細胞に取り込むよう働きかけており、それによって血糖値は一定に保たれている。
インスリン抵抗性が生じると、ブドウ糖の細胞への取り込みが抑制され、血糖値が高いまま下がらなくなる。その結果糖尿病が発症する。
また、インスリン抵抗性は、糖尿病だけでなく高血圧や高脂血症といった生活習慣病の発症にも関与しているといわれている。

右脚ブロック

うきゃくぶろっく。
心臓の刺激伝導系の中で、右心室につながる右脚の伝導経路に異常が起こるもので、右心室の動きに遅れが生じる症状。
この遅れのために心室の動きが遅くなり、心電図上QRSの幅が広くる。この幅が0.10秒以上0.12秒未満のものを不完全右脚ブロック、0.12秒以上のものを完全右脚ブロックと言う。
右脚ブロックの原因としては、虚血性心疾患、高血圧性心疾患、肺の疾患、右心室への負担などが挙げられるが、右脚ブロックは健康な人にもしばしばみられる症状のため、全ての右脚ブロックが病気というわけではない。

うっ血性心不全

さまざまな原因により心臓のポンプ機能が損なわれ、肺や末梢の組織にむくみが生じて、息苦しく感じる症状を表す。
主な症状は呼吸困難で、肺の病気による呼吸困難との違いは、肺のむくみ(肺水腫)に基づくことである。そのため、上半身を起こすと少し楽になるという起座呼吸や、夜間の発作性呼吸困難による就寝後の息苦しさが特徴的である。

エイズウイルス

1983年に発見されたRNA(リボ核酸)タイプの遺伝子を持つレトロウイルスの仲間で、人の免疫細胞に感染し、免疫細胞を破壊して、最終的にはAIDS(後天性免疫不全症候群)を発症させる。正式名称はヒト免疫不全ウイルス。
エイズウイルスに感染後、半年から15年以上の潜伏期間があり、その期間は症状が現れない。しかし、潜伏期間中も性行為などによって他人に感染する。 潜伏期間を過ぎると、身体の抵抗力が弱まり、普段ではめったにかからないような、様々な病気にかかる。免疫力が低下した状態をエイズが発症したと言う。発病後に、エイズを完治させる特効薬は開発されていない。
感染予防は確実にできる。エイズウイルスは、主として血液・精液・膣分泌液によって感染する。感染経路が限られており、感染力も弱いため、日常の社会生活では性行為以外ではまず感染することはなく、感染予防は確実に出来る。
エイズや他の性感染症予防にとって、性行為におけるコンドームの正しい使用は、感染予防の有効な手段となる。

壊死

えし。
生体の一部の組織・細胞が虚血(血液の流れが停滞し酸素や栄養素が不足すること)などによって死ぬこと。またその状態。
疾病、外傷(火傷など)、血流の傷害などによって引き起こされる。また、壊死の多くはネクローシスによるものと考えられる。
壊死した組織は、吸収されたり、周囲の肉芽組織が増殖して治したりするほか、外界に排出される場合もある。最終的には壊死部分は取り除かれ、欠損箇所は元の組織が再生したり線維化したりすることで補われる。
ただ、壊死した部分は正常に機能しないため、そのぶん臓器の機能低下が引き起こされる。特に神経系や心筋のように再生しない組織が壊死すると、その部分の機能は完全に失われてしまう。

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エデマ

水腫、水症、浮腫み(むくみ)のこと。Edemaに由来。
臨床現場で使われる業界用語である。

エピ

【1】痙攀発作、てんかんを意味する略語。Epilepsyに由来。
脳細胞の過剰な活動により、筋硬直などの発作(てんかん発作)を繰り返す疾患。

【2】硬膜外麻酔。Epidural Anesthesia。
硬膜外麻酔で挿入するチューブをエピドラチューブなどという。

黄疸

皮膚や白目の部分が黄色っぽくなったり、尿の色が濃くなったりする症状で、全身の倦怠・疲労感、皮膚のかゆみなどを伴う。
血液中のビリルビンが増加すると引き起こされる。
ビリルビンは赤血球中のヘモグロビンが壊れる過程で生じる物質である。古くなったヘモグロビンを一旦壊して作りなおすという反応は、肝臓・骨髄等で常に行われており、ビリルビンは血液に乗って常に体内を循環している。このビリルビンが皮膚に蓄積されると、黄疸を発症するのである。
黄疸が出た場合は、肝炎や肝硬変などの肝臓の病気、胆汁の排泄経路である胆管系の異常などが疑われる。

介達痛

かいたつつう。
患部とは離れた箇所を刺激した場合に、患部に生じる痛み。
例えば、肋骨を骨折したとき、深呼吸をしたり、力を加えて肋骨をたわませたりすると、骨折部で痛みが誘発される。この痛みが介達痛である。

拡張型心筋症

かくちょうがたしんきんしょう。DCM(Dilated Cardiomyopathy)。
特発性拡張型(うっ血型)心筋症ともいう。
心筋細胞の変質によって、とくに心室の壁が薄く伸び、心臓内部の空間が大きくなる病気。左心室の壁が伸びて血液をうまく送り出せなくなり、うっ血性心不全を引き起こす。左心室の血液を送り出す力は心臓の壁が薄く伸びるほど弱まるので、重傷度は心筋の伸びの度合いで決められる。
拡張型心筋症は、はっきりとした原因が不明の特定疾患(難病)である。拡張型心筋症の5年生存率は54%、10年生存率は36%と極めて不良だったが、現在では治療の進歩により5年生存率は76%に改善されたものの、突然死の発生は現在でもまれではない。

■症状:
はじめのうちは自覚症状はほとんどなく、運動時に動悸(どうき)や息切れを感じる程度であり、進行すると夜間発作性呼吸困難が出てくる。重症になると全身にむくみが発生し、心室頻拍や心室細動といった危険な不整脈を起こして突然死する場合もある。心電図検査における不整脈やST-T異常、左脚ブロックなどの異常所見は重症化を示す。
■治療法:
初期〜中期であれば投薬療法が採用されるが、重症患者の場合は外科的治療が行われ、現在のところ明らかに有効な治療法は心臓移植しかない。日本で行われる心移植適応例の80%以上はこの病気である。

心臓が大きくなってしまう心疾患には他に肥大型心筋症がある。

下肢静脈瘤

かしじょうみゃくりゅう。
下肢の静脈が異常に拡張する病気。バリックスともいう。
本来、足の静脈は弁によって逆流しない仕組みになっている。しかし、静脈壁が薄い、弾力を失っているなどの理由で静脈が拡張してしまうと、静脈の弁が正常に閉じることができなくなり、血液の逆流を防ぐことができなくなる。この逆流した血液が足にうっ滞すると下肢静脈瘤を発症するのである。

下肢静脈瘤は、こむらがえり、下肢のだるさなどの自覚症状に加え、太い血管がボコボコと浮き出る、細い血管が集まっているのがはっきりと目視できる、色素沈着がある、などの皮膚病変を引き起こす。女性や立ち仕事をする人に多く見られる疾病である。

カタプレキシー

Cataplexy。
情動脱力発作とも呼ばれる。
喜怒哀楽、恐れや羞恥といった過度の感情の高ぶりによって、全身の筋力が抜けてしまう発作。ナルコレプシーに伴って併発するケースが多い。明確な原因は不明。
発作中、意識はしっかり保たれており、しばらくすると元に戻って、自然に力が入るようになる。

川崎病

KD(Kawasaki Disease)。
小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群(MCLS:MucoCutaneous Lymph-node Syndrome)とも言われるが、世界的に川崎病(KD)が一般的な呼び名。
川崎病という名前は、1967年、それまで「急性熱性皮膚粘膜リンパ腺症候群」の一種と考えられていた疾患が新しい病気であると発見した、川崎富作博士から名付けられた。

川崎病は、1歳前後をピークに、4歳未満の乳幼児が全患者の8割を超える病気である。急性期の症状としては、高熱・喉粘膜やリンパ節の腫れ・目の充血・舌がイチゴ状に赤くなる(イチゴ舌)・全身の発疹・指先の皮がむける、などが挙げられるが、症状は2〜3週間程度で軽くなる。

川崎病の原因はいまだ解明されていないものの、ウイルスや細菌への感染をきっかけにそれを防ごうとする免疫反応がおこり、全身の中小血管に炎症が生じるのではないかと考えられている。
川崎病は症状そのものよりも後遺症が危険な病気で、心筋に酸素や栄養素を運んでいる冠動脈に瘤を生じさせるなどの冠動脈障害を残すこともある。後遺症が残る確率は10%前後だが、冠動脈瘤にできた血栓や瘤の入り口の狭窄によって冠状動脈が詰まってしまい、心筋梗塞を起こして死亡するケースもある。

川崎病にかかった小児患者が、成長に伴ってどのような経過をたどるのかはいまだ解明されていないため、後遺症の有無にかかわらず定期的な検査を受けることが必要であるといわれている。

感音性難聴

かんおんせいなんちょう。
詳しくは難聴を参照。

肝がん

肝臓に生じた悪性腫瘍(癌、がん)の総称。肝臓がんともいう。
肝がんは日本人に多く、男女ともに癌疾患の上位を占める。なお、肝がん患者は男女とも50歳代以降に多くみられる。
肝がんは肝細胞に由来する肝細胞がんと、胆管細胞に由来する胆管細胞がんに分類される。

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肝硬変

かんこうへん。
肝硬変はさまざまな肝臓病の最後の姿ともいわれ、肝線維化の結果、肝機能の低下や門脈圧亢進、最終的には肝がんを引き起こす。
肝硬変の原因としては、肝炎ウイルスやアルコールの過剰摂取、先天性代謝異常、原発性胆汁性肝硬変などが挙げられるが、日本で多いのはC型肝炎から移行するケースであり、B型肝炎、アルコール性肝炎と続く。

肝炎を発症すると肝細胞の破壊と再生が繰り返され、肝臓内が硬い線維に囲まれてしまう。硬い線維に囲まれてしまうと肝臓の血流が悪化し、酸素や栄養が肝細胞に行き届かなくなって肝臓機能が低下する。これが一般的な肝硬変の症状である。

肝硬変の症状は代償期と非代償期に分けられる。
代償期(初期)は比較的症状が少なく、病理学的にしか肝硬変像は認めない。肝機能が半分程度まで低下しても自覚症状がない場合もあり、これは肝臓の一部が障害を起こしていても残りの部分でカバーするという代償機能が働くためである。
この代償期を過ぎると肝硬変の末期と言われる非代償期に移行する。この時期には肝線維化に伴う門脈圧の亢進による食道静脈瘤の発達、腹水の出現、肝性脳症の発症といった合併症を生じることがある。また、肝硬変に肝がんを生じることもある。

肝硬変の診断としては、触診による肝臓・脾臓の腫れの有無、超音波検査による腹水の有無、内視鏡検査による食道静脈瘤の有無、血液検査による血小板減少などを見る方法がある。

肝細胞がん

肝臓を構成する肝細胞から発生するがん。原発性肝がんの90%を占める。60歳前後の男性に多いと言われる。
日本では肝細胞がんの70%以上がC型肝炎、20%がB型肝炎に起因する。これは、B型、C型肝炎ウイルスが正常肝細胞に作用して突然変異を引き起こし、発生するものと考えられている。
肝細胞がんには特有の症状というものはなく、肝炎・肝硬変などによって引き起こされる肝臓障害が主症状である。

感情失禁

かんじょうしっきん。
情動失禁ともいう。
些細なことで大喜びしたり激怒するなど、喜びや怒りなどの感情が正常の人々よりも簡単に多く出てしまうこと。脳血管性認知症の患者に見られる症状。この場合の失禁とは排尿・排便ではなく、泣く(涙を流す)ことである。

完全右脚ブロック

かんぜんうきゃくぶろっく。
右脚ブロックのうち、QRS波の幅が0.12秒以上のものを完全右脚ブロックという。
詳細は右脚ブロックを参照。

完全房室ブロック

3枝ブロック。右脚と左脚(左脚前枝、左脚後枝)に電気伝導障害を生じた状態のこと(完全右脚ブロック、左脚前枝ブロック、左脚後枝ブロック全てが生じている状態)。
心臓の興奮が心房から心室に全く届かないため、ペースメーカーの植え込みが必要となる。

肝臓がん

肝がんともいう。肝臓に生じた悪性腫瘍(癌(がん))の総称。
詳細は肝がんを参照。

外傷指数

外傷患者の重症度を評価するのための指数。外傷部位や意識のレベル、血圧や脈拍等の重篤度を点数化したもので、搬送先医療機関の選定やヘリコプター要請の判断等に利用される。

悪性腫瘍のこと。肺がんや肝がん、胃がんなどがある。
詳細はがんの項目を参照。

がん

正常の細胞とは遺伝子が異なる、自律性を失った細胞が増殖した悪性腫瘍のことを指す。悪性新生物とも呼ばれる。
がんは他の組織との境界に浸潤、あるいは転移(原発病変とは違う場所で腫瘍が増殖すること)し、身体の各所で異常増殖することで宿主の生命を脅かす。
腫瘍には良性と悪性があり、浸潤や転移を行うものを悪性腫瘍(がん)と呼ぶ。

ガングリオン

Gangrion。
結節腫。
手足などの関節にできる腫瘍。多くは良性である。
関節近くにある膜や粘液嚢胞にゼリー状の液体が溜まり、弾力性の腫瘤となることで起こる。無症状だが、神経や腱を圧迫すると痛みを感じる場合もある。若い女性の発症率が高いといわれている。
ガングリオンは治療しなくても消失することが多いが、内部の液体を穿刺吸引することも可能である。

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既往歴

きおうれき。
病歴、これまでにかかった病気のこと。
胎生期、幼児期、小児期、思春期、青年期、成人期といった時期ごとの、疾患名・治療法や健康状態をまとめたもの。大きな病気だけでなく、薬の副作用やアレルギー、交通事故、出産経験なども含む。
既往歴は、現在の病気の診断や治療法の選択に重要な手掛かりとなる。

脚ブロック

きゃくぶろっく。
心臓の刺激伝導系のうち、右脚、左脚に伝導障害が起こり、電気信号が伝わらなくなる疾患。右脚ブロック、左脚ブロックのほか、完全右脚ブロックや左脚前枝ブロック、3枝ブロックなどがある。

急性冠症候群

きゅうせいかんしょうこうぐん。ACS(Acute Coronary Syndrome)。
冠動脈にできた動脈硬化性の粥腫の突然の破綻によって形成された血栓により、冠動脈の血流が減少または途絶して起きる状態の総称のこと。
不安定狭心症、急性心筋梗塞、突然死の総称である。

急性呼吸窮迫症候群

呼吸窮迫症候群のこと。
詳細は呼吸窮迫症候群をご参照下さい。

狭心症

虚血性心疾患の1つ。心臓に血液を供給する冠動脈が狭窄や閉塞を起こし、心筋への血流が不足するため、一時的に胸の痛みを感じる病気。狭心症によって引き起こされる胸の痛みを狭心症発作という。
心筋への血流が悪くなると、心臓は十分な酸素や栄養を得られなくなり、機能不全に陥ってしまう。この酸欠状態が一時的に起こるのが狭心症である。これに対し、酸欠状態が長時間継続する症状を心筋梗塞という。
狭心症は病状や発生状況によって、安定狭心症・不安定狭心症、労作性狭心症・安静狭心症などのように、さらに細かく分類される。

胸部大動脈瘤

きょうぶだいどうみゃくりゅう。TAA(Thoracic Aortic Aneurysm)。
胸部大動脈の血管壁が拡大し、こぶ状になったもの。胸部大動脈瘤は、胸のなかにあるため自覚しづらいが、一旦破裂すると後遺症が残ったり、死に至ったりする恐れのある危険な病気である。
発生の原因としては、高血圧や糖尿病といった生活習慣病が挙げられる。
正常な胸部大動脈の径は2.5cm程度だが、これが拡大して5〜6cmになると破裂の危険が出てくる。胸部大動脈瘤が認められた場合には、投薬治療のほか、手術(大動脈の置換術)によって治療を行う。

虚血性心疾患

心臓の虚血が原因で起こる疾病のことで、狭心症や心筋梗塞などをまとめて虚血性心疾患という。心不全、不整脈といった合併症を引き起こすこともある。
心臓は、冠状動脈から酸素や栄養素を絶えず補給している。冠状動脈が狭窄や閉塞を起こし、血流が不足してしまうと、心臓は十分な酸素や栄養素を得られなくなり、機能不全に陥ってしまう。これが虚血性心疾患である。狭心症は酸欠状態が一時的で、その後回復するのに対し、心筋梗塞は血栓などで冠動脈が完全に閉塞し、心筋が壊死したり、最悪の場合死に至ることもある危険な状態である。
血管の狭窄や閉塞を招く要因としては、高血圧症や高脂血症、糖尿病や喫煙などが挙げられる。

筋萎縮性側索硬化症

きんいしゅくせいそくさくこうかしょう。ALS(Amyotrophic Lateral Sclerosis)。
ルー・ゲーリッグ病、シャルコー病とも呼ばれる。

全身の運動神経が冒されて筋肉の萎縮や筋力の低下を引き起こし、やがて自力呼吸が困難となって死に至る疾患。原因が解明されいない難病で、進行が早く、半数程度の患者が発病から3〜5年で死亡する。
初期症状としては四肢の遠位部(指先など)の筋力低下や筋萎縮が典型とされるが、四肢には異常がない状態での嚥下障害(飲み込みにくい)や構語障害(ろれつが回りにくい)も初期症状として報告されている。発症後は感覚・自律神経系の障害はなく、運動神経細胞のみが衰えていくため、感覚や知能、視力といった能力はありながら、次第に身体を動かすことが困難になっていくという経過をたどる。

車椅子の宇宙物理学者スティーブン・ホーキング博士や大リーガーの(故)ルー・ゲーリック選手もALS患者である。
ALSの発症年齢は平均59歳、男性の方が女性の1.5倍程度の比率で罹患するという統計もある。日本全国に5,000人程度のALS患者がいると推定されている。

ギランバレー症候群

筋肉を動かす運動神経の障害のため、急に手や足に力が入らなくなる病気で、原因が解明されていない難病。発生率は10万人に1〜2人という稀な疾病でもある。
詳細はギラン・バレー症候群の項目を参照のこと。

クモ膜下出血

脳卒中の1つ。頭蓋骨内にある、クモ膜と脳軟膜の間、クモ膜下腔内で出血すること。
激しい頭痛や嘔吐などの症状を突然発症する。患者は50〜70代を中心とした健康な人が多く、発症すると30%以上の確率で死に至る、致死率が非常に高い病気である。
クモ膜下出血の原因としては、脳腫瘍によるものや、交通事故等で頭を打ってできた外傷に起因するものなどが挙げられるが、最大の原因は脳動脈瘤の破裂によるものである。

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経皮経肝胆管ドレナージ

経皮経肝的胆管ドレナージともいう。
詳しくは経皮経肝的胆管ドレナージを参照。

経皮経肝的胆管ドレナージ

PTCD(Percutaneous Transhepatic Cholangio Drainage)。
経皮経肝胆管ドレナージともいう。
ドレナージとは排出という意味。皮膚と肝臓を介して胆管までチューブを進め、胆汁を体外に排出する治療方法のこと。
癌や胆石、腫瘍によって胆管が詰まり、胆汁が排出されなくなった場合、黄疸を改善するために採用される。

経皮経肝的胆汁ドレナージ

PTBD(Percutaneous Transhepatic Bile Drainage)。
ドレナージとは排出という意味。皮膚と肝臓を介して胆管に細い管を入れ、欝滞した胆汁を体外に排出する治療法。
胆管炎、黄疸といった胆管や膵臓の病気への治療方法である。

経皮経冠動脈血栓溶解療法

PTCR(Percutaneous Transluminal Coronary Recanalization)。
カテーテルを使って冠動脈内に血栓溶解剤を直接流し込み、血管内部にできた血栓を溶かして血流を改善させる方法。急性心筋梗塞に効果的な治療法とされる。
直接患部に働きかけることができるため、投薬に比べて即効性・有効性がある一方で、心筋障害発症後速やかに行わなければ効果が見込めないという問題点もある。

傾眠

けいみん。
意識障害(意識混濁)の程度のひとつ。周囲からの刺激があれば覚醒するが、すぐに意識が混濁する状態。
場所と時間がわからなくなったり、直前の出来事の記憶がないことがある。
自発的に動くことが少なく、ベッドに寝たきりの生活になりやすい。食事は口に入れると自ら咀嚼し、嚥下することができる。
昏蒙とほぼ同義。傾眠の症状が進むと嗜眠、昏眠、昏睡となる。
意識障害の定義はあいまいなものが多いため、現在ではジャパンコーマスケール(3-3-9度方式)やグラスゴーコーマスケールといった評価方法が導入されている。

結節性多発動脈炎

PN(Periarteritis Nodosa)。
2005年までは結節性動脈周囲炎とよばれた。
中小動脈の動脈壁に炎症や損傷が生じることで、障害を起こした臓器や組織への血液供給量が不足する病気。全身のあらゆる臓器(例えば心臓、腎臓、皮膚など)に病変が生じるため、さまざまな臨床症状があり、その診断は困難であるとされる。
ちなみに、細動脈や毛細血管に炎症を起こす症例が見られるのは顕微鏡的多発血管炎(MPA)である。

結節性動脈周囲炎

PN(Periarteritis Nodosa)。
現在は結節性多発動脈炎(PN)とよばれる。
血管の周囲が炎症を起こし、数珠のような結節ができることから、こう名づけられた。障害血管の機能障害や壊死を引き起こす。
しかし、結節性動脈周囲炎のなかにも病因や症状が異なる事例が発見されたため、2005年以降は2症例に分離されることとなった。中小動脈に血管炎を起こす結節性多発動脈炎(PN)と、細動脈や毛細血管に炎症を起こす顕微鏡的多発血管炎(MPA)である。

顕微鏡的多発血管炎

MPA(Microscopic PolyAngiitis)。
全身の細動脈、毛細血管といった小型血管の血管壁に炎症を起こし、障害血管のある臓器や組織を壊死させる病気。
以前は結節性多発動脈炎(PN)にひとくくりにされていたが、病因や症状に差異が見られるという理由から、中小血管の壊死を引き起こす結節性多発動脈炎とは区別されるようになった。

原発性

げんぱつせい。
最初の、第一の、という意味。疾患が、他の病気の結果として引き起こるのではなく、その臓器自体の病変によって引き起こされる場合を原発性という。原発性がつく病名としては、原発性硬化性胆管炎や原発性免疫不全症候群などが挙げられる。
これに対し、他の臓器の疾患によって引き起こされる二次的な病気を「続発性」「二次性」と呼ぶ。

原発性胆汁性肝硬変

PBC(Primary Biliary Cirrhosis)。
肝臓でつくられた胆汁の流れる細い胆管が慢性炎症により壊され、胆汁が流れにくくなり、肝臓内に胆汁が停滞することによって起こる病気のこと。胆汁の流れが悪くなることで、「慢性肝内胆汁うっ滞(慢性非化膿性破壊性胆管炎)」が起こり、最終的には肝硬変へと進行する。
ただ、ほとんどの場合は肝硬変に進行する前に発見されるため、原発性胆汁性肝硬変と診断されても肝硬変には至っていない場合が大半である。

PBCは、特に中年以降の女性が多く発症し、皮膚掻痒(そうよう)症で初発することが多い。症状の1つである黄疸は、発症後、消えることなく漸増するという特徴をもつ。また、門脈圧亢進症状も引き起こす。

原発性胆汁性肝硬変は、皮膚掻痒感や黄疸、食道静脈瘤といった肝障害に基づく症状がある症候性PBCと、それらが見られない無症候性PBCとに分類される。無症候性PBCや症状がかゆみだけの場合は、それほど病気は進行しないが、黄疸の症状が進んだり、長期間胆汁の流れが悪い状態が続いたりすると、肝硬変になる恐れがある。

原発性胆汁性肝硬変の原因となる胆管の炎症には、自己免疫が関与すると考えられているが、詳細は明らかになっていない。

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現病歴

現症。
今の病気(主訴)が、いつから、どのように始まり、どのような経過をとってきたのか、前医ではどのような治療を受けたのか、どのような症状が出たのか、といった情報をまとめたもの。
PI(Present Illness)、OC(Onset and Course)などと略す。
過去の病歴のことは既往歴という。

コアグラ

尿や胃液などに血液が混ざっている状態のこと。
凝固、凝結などを意味する英語、Coagulum、Coagulantに由来。
疾病の状態をあらわす同様の用語には、アイテル様、アテレク、パンペリなどがある。

高血圧

血圧が持続的に上昇した状態。
収縮期圧140mmHg以上もしくは、拡張期圧90mmHg以上を高血圧と診断する(ただし、糖尿病例では収縮期圧130mmHg以上もしくは、拡張期圧80mmHg以上)。ちなみに、正常血圧は120/80mmHgとされている。
高血圧自体の自覚症状はない場合が多いが、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)や脳卒中、腎不全などの発症リスクとなる点で臨床的な意義は大きく、既往歴のなかでも重要である。
高血圧は生活習慣病のひとつであり、肥満、高脂血症、糖尿病と合わせてメタボリックシンドロームと呼ばれる。
高血圧は慢性腎疾患などが原因で生じることもあるが(続発性高血圧)、ほとんどの高血圧は原因を特定できない(本態性高血圧)。本態性高血圧のなかで多いのが、血圧が徐々に上昇する良性高血圧で、まれに血圧が短期間のうちに極端に上昇して死に至る場合があり、これを悪性高血圧という。

後天性免疫不全症侯群

エイズのこと。
詳細はエイズウイルスの項目をご参照下さい。

抗利尿ホルモン不適合症候群

こうりにょうほるもんふてきごうしょうこうぐん。
抗利尿ホルモンの過剰分泌によって引き起こされる疾患。詳細はSIADHを参照。

抗利尿ホルモン分泌異常症

こうりにょうほるもんぶんぴついじょうしょう。
ADH(Anti-Diuretic Hormone)の分泌が過多となることで、水分の過剰貯留、低ナトリウム血症を引き起こす。詳細はSIADHを参照。

こぶら返り

こぶらがえり。
こむら返りともいう。筋肉の疲労などにより、足が攣る(つる)こと。詳細はこむら返りを参照。

こむら返り

こむらがえり、腓返り。「こぶら返り」と呼ぶ地域もある。
ふくらはぎに起こる筋肉の痙攣の総称。「足が攣(つ)る」とも言われる。筋の疲労などが原因であり、激しい運動の後や、水泳後、睡眠中に起こる。
こむら(腓)とはふくらはぎのことで、江戸時代頃まで使われていた言葉である。こむら返りは、ふくらはぎの筋肉がひっくり返ったような感じから名づけられたとされる。

混合性難聴

こんごうせいなんちょう。
詳しくは難聴を参照。

昏睡

こんすい。
意識障害の程度のひとつで、最も重い状態。
視覚・聴覚の刺激にもまったく反応せず、目を覚ますことがない。頭部外傷やアルコール中毒、鎮静薬などの過剰摂取が原因である。高齢者に起こる昏睡の原因として多いのは、ナトリウム濃度の上昇による脱水や感染症などである。
意識障害の定義はあいまいなものが多いため、現在ではジャパンコーマスケール(3-3-9度方式)やグラスゴーコーマスケールといった評価方法が導入されている。

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昏睡

意識障害のもっとも強い状態のこと。どれほど強い刺激を与えても、脊髄反射等の肉体的反応は多少認められることもあるが、声を出すなどの精神的反応が全く認められない意識喪失が続く状態。
昏睡時の特徴としては、前身の筋肉の弛緩、反射機能の消失、顔面が蒼白になる(脳出血を起こしているときは逆に顔面が紅潮する)、瞳孔の散大する(時には縮小することもある)、尿失禁などが認められる。
JCS(Japan Coma Scale)やGCS(Glasgow Coma Scale)などの意識障害の深度の分類によって数値化して表され、患者の状態を判断する。JCSでは300、GCSでは3点で深昏睡と判断される。

昏眠

こんみん。
意識障害の程度のひとつ。昏睡と昏蒙の中間程度の意識混濁である。
精神活動がほとんど失われており、かなり強い刺激でなければ反応しない。言葉による接触は不可能。寝たまま動かず、失禁の場合が多い。
なお、意識障害の定義はあいまいなものが多いため、現在ではジャパンコーマスケール(3-3-9度方式)やグラスゴーコーマスケールといった評価方法が導入されている。

昏蒙

こんもう。
意識障害(意識混濁)の程度のひとつ。軽度の意識低下がみられる状態。
外部からの刺激に反応はするが、すぐにまた深い眠りに入ってしまう。傾眠とほぼ同義。より症状が進むと嗜眠、昏眠、昏睡となる。
意識障害の定義はあいまいなものが多いため、現在ではジャパンコーマスケール(3-3-9度方式)やグラスゴーコーマスケールといった評価方法が導入されている。

細動脈硬化

動脈硬化の一種。
脳・腎臓などの細い動脈が硬化する症状。
詳しくは動脈硬化を参照。

左脚後枝ブロック

さきゃくこうしぶろっく。
左脚後枝が伝導障害を起こしている状態。左脚分枝ブロックのひとつ。
詳細は左脚ブロックを参照。

左脚前枝ブロック

さきゃくぜんしぶろっく。
心臓へ刺激を伝える刺激伝導系である左脚前枝がブロックされている状態のこと。左脚分枝ブロックのひとつ。

左脚ブロック

さきゃくぶろっく。
心臓の刺激伝導系のうち、左脚の伝導障害のため異常が起こるもので、左心室の動きに遅れが生じた状態のこと。
左脚は左脚前枝と左脚後枝に分かれており、このどちらか片方が伝導障害を起こしてブロックになったものを分枝ブロックという。左脚前枝がブロックになったものを左脚前枝ブロック、左脚後枝がブロックになったものを左脚後枝ブロックと呼ぶ。
左脚ブロックは右脚ブロックと異なり、心筋に著明な変化(疾病)がみられるときに発生する。左脚ブロックの原因としては突発性のもののほか、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、高血圧、先天性疾患が挙げられる。

左脚分枝ブロック

さきゃくぶんしぶろっく。
左脚の左脚前枝もしくは左脚後枝のどちらか片方が伝導障害を起こしている状態(どちらもブロックを起こしている状態は左脚ブロックという)。
左脚前枝がブロックになったものを左脚前枝ブロック、左脚後枝ブロックになったものを左脚後枝ブロックと呼ぶ。

3枝ブロック

完全右脚ブロックと左脚前枝ブロック、左脚後枝ブロックが同時に起こった状態のこと。
心臓に電気信号が伝わらないため、ペースメーカーが必要となる。
2枝ブロックと合わせて多枝ブロックと呼ぶこともある。

子宮頸がん

子宮頸部(けいぶ)と呼ばれる子宮の入り口付近に発生するがん。
子宮頸がんの原因はヒトパピローマウイルス(HPV)で、性交渉によって感染すると考えられている。子宮頸がんは、がんによる死亡原因の第3位、女性特有のがんのなかでは乳がんに次いで第2位を占める。比較的若い女性がかかりやすいという特徴もある。
子宮頸がんは予防可能ながんであり、定期的な検診を受けることで発症を未然に防ぐことができる。
子宮にできるがんには、他に子宮体がん(子宮内膜癌)や卵巣がん、卵管がんなどがある。

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子宮体がん

子宮体部(赤ちゃんが育つ部分)にできるがんのこと。
症状としては不正出血や排尿痛、排尿困難などがあり、罹患者には閉経前後の年配の女性(50〜60歳)が多い。肥満、糖尿病、高血圧のある女性は発症しやすいといわれている。
子宮頸がんに比べて発見は困難といわれるものの、発見が早いほど治療効果も高いため、定期的な検診が大事である。
子宮にできるがんには、他に子宮頸がんや卵巣がん、卵管がんなどがある。

シゾ

統合失調症を意味する業界用語。Schizophrenia(英語)に由来する。
カルテに記入する際にはSzと書かれる。

シバリング

Shivering。
身震いする、という意味の英語。
熱の出始めなどで体が震えたり、寒い時に口ががたがた震えたりすること。
シバリングは、体温が下がった時に筋肉を動かすことで熱を発生させ、体温を保とうとする生理現象である。

しぶり腹

しぶりばら。
繰り返し腹痛を伴い便意をもよおすにも関わらず、肛門筋の痙攀によって排便が困難となる状態。
しぶり腹になると、残便感があり、腹痛があって頻繁に便意をもよおすのに、ほとんど便が出なかったり、排便があってもわずかしかなかったりする。
過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)やクローン病、潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)、大腸がんといった、大腸に病変を起こす疾患が原因と考えられている。
医療業界の業界用語ではテネスムスという。

脂肪塞栓症

外傷を受けた際に、破損した血管へ脂肪が流入し、血管を詰まらせて起こる疾病のこと。多くは骨折によって引き起こされる。
血管が塞栓された臓器の不全・壊死を招き、重篤な合併症に発展する可能性のある病気である。

嗜眠

しみん。
意識障害(意識混濁)の程度のひとつ。昏眠ともいう。
放っておくと眠ってしまい、強い刺激を与えないと覚醒し反応しない状態。
嗜眠は以下のような原因で引き起こされる。

・睡眠時間が極端に短い場合
・薬剤(精神安定剤・睡眠剤・抗ヒスタミン剤)などを服用している場合
・睡眠障害(睡眠時無呼吸症候群・発作性睡眠)
・外傷、中毒、脳血管障害、脳炎、代謝障害、脳腫瘍などの疾患

なお、嗜眠より軽度な症状には、昏蒙や傾眠がある。また、症状が悪化すると、昏眠、昏睡となる。
意識障害の定義はあいまいなものが多いため、現在ではジャパンコーマスケール(3-3-9度方式)やグラスゴーコーマスケールといった評価方法が導入されている。

シャルコー病

筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)のこと。
詳しくは筋萎縮性側索硬化症を参照。
筋萎縮性側索硬化症を初めて報告したフランス人脳神経内科医、シャルコーの名をとってこのように呼ばれる。

手根管症候群

しゅこんかんしょうこうぐん。
正中神経が圧迫されることによって、しびれや痛み、運動障害を起こす病気。
正中神経は、手首の手のひら側にある骨と靭帯に囲まれた手根管というトンネルのなかを通っている。手の過度の使用や妊娠による浮腫み、骨折や腫瘤(しゅりゅう)が主な原因であり、中年以降の女性に多く起こるほか、糖尿病、痛風、関節リウマチの患者も手根管症候群のリスクが高まる。
症状としては親指、人差し指、中指のしびれやヒリヒリとした痛みがある。睡眠中に痛みやしびれで目を覚ますほか、進行すると親指の付け根の筋肉がやせ細り、細かな作業が困難になる。
処置としては、注射や内服薬による治療の他に、手術で靭帯を切って手根管を開き、正中神経の圧迫を取り除く方法がある。

主訴

患者が最も強く訴える症状のこと。
胸痛・発熱といった、患者が来院するきっかけとなった主な訴えであり、診療はここから始まる。
カルテ等にはC.C.(Chief Complaint)と略して記される。

出血

血管から血液が出ること。胃や食道からの出血を吐血(とけつ)、気管や気管支からの出血を喀血(かっけつ)、脳内出血やクモ膜下出血などを脳出血などと呼ぶ。
出血のうち、血液が体外に流れ出るものを外出血、体内に流れ出ることを内出血という。

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小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群

川崎病のこと。
詳細は川崎病の項目をご参照下さい。

小児脳性麻痺

脳性麻痺ともいう。
詳しくは脳性麻痺を参照。

心筋梗塞

虚血性心疾患の一つで、心臓の主要な血管である冠動脈が詰まり、血流量の低下や虚血状態により心筋が壊死してしまう疾患のこと。心筋梗塞は致死率が30〜40%と高く、死亡患者の半数以上は病院到着前、あるいは発症から2時間以内に死亡する。

冠動脈が詰まって血液の通り道が狭くなるにつれ、運動を避けて安静にしていても突然発作があらわれる不安定狭心症の状態に陥る。冠動脈が極端に狭まると、血液の流れが滞ることによって、血液が固形化した血栓を発生させやすくなる。この血管の狭窄・閉塞によって心筋が虚血状態となり壊死を起こした状態が心筋梗塞である。
心筋梗塞によって壊死した心筋の範囲が広いほど、心臓のポンプ能力が急激に減少し、血圧低下や意識がもうろうとするショック状態に陥って突然死を引き起こす可能性が高くなる。

神経循環無力症

心臓神経症のこと。
詳細は心臓神経症の項目をご参照下さい。

神経成長因子

NGF(Nerve Growth Factor)。
交感神経や感覚神経といったニューロンの増殖を促進するたんぱく質で、末梢神経に存在する。118個のアミノ酸から構成されている。
大脳にあるコリン作動性神経細胞の活性化に必要な神経栄養因子であり、認知症やアルツハイマー病といった神経障害の治療薬として期待が高まっている。

心室細動

心室内の様々な場所で、無秩序に、早い周期の異常性興奮が繰り返し起こっている状態のこと。心臓が小刻みに震え、全身に送るべき血液を正常に送ることができなくなる。
不整脈のなかでも致死性が高く、適切な治療が行われない場合、数秒で失神、3〜5分間で脳死になり、これが数分続くと全身に血液が循環しないため死に至る。

浸潤がん

しんじゅんがん。
浸潤性がんともいう。
がんが発生した組織層の外側にまで拡がり、周囲の健康な組織内にまで増殖しているがんのこと。
一方、がんが組織内にとどまっているものを非浸潤がんという。

心臓神経症

心臓・血管系の疾患にかかっている検査結果はない状態で、動悸、息切れ、胸痛、発汗、震えなどの心疾患に伴う症状を訴える心身的疾患のことを指す。
上記に挙げた胸痛、動悸、息切れ、呼吸困難、めまいなどの症状は狭心症と似ているが、心臓神経症で感じる胸痛には、痛む部分が左胸のごく狭い範囲に限られ、手で圧迫すると痛みが強くなり、「ズキズキ」とか「チクチク」と表現されるような痛みである点が、狭心症との違いとなっている。
心臓神経症は、神経循環無力症、不安神経症、パニック障害とも呼ばれ、ストレスや過労、心臓病に対する極度の不安から症状が発生する。

心的外傷後ストレス障害

PTSD(Post-Traumatic Stress Disorder)。
トラウマとも呼ばれ、恐ろしい出来事や衝撃的な体験が心の傷として残り、様々なストレス障害を引き起こす疾患のこと。事故・災害時の突発的な出来事によって形成される急性トラウマと、児童虐待など長期間にわたって繰り返し加害されることによる慢性トラウマがある。
◆症状:恐怖を体験してから約3ヶ月以内に発症することが多い。体験した出来事を追体験するかのような悪夢を見たり、怒りっぽくなったりするほか、他人に対する気遣いや他人を信用することが出来なくなり、過度に周囲を警戒するようになるといった症状も引き起こす。
◆治療法:薬物や治療によって治すことが可能。

心不全

詳しくはうっ血性心不全の項目をご参照下さい。

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心房粗動

電気的興奮が主に右心房内を大きく旋回し、心房の興奮回数が1分間に240〜450回にまで達する頻拍のことを指す(正常な心臓では50〜100回)。一般的には、突然始まって長時間続くことが多く、自然に止まることは少ない。人為的に止める際には、直流通電による電気ショックを行う必要がある。
主訴としては、動悸がする、胸部に違和感がある、胸が躍るように感じる、胸が痛むなどの心臓やその周辺に関する違和感が多い。

心房粗動の原因としては、高血圧や糖尿病、虚血性心疾患などが挙げられ、心不全や血栓性脳塞栓症などの合併症を引き起こす恐れがある。
心房粗動の予防には、過度の飲酒や疲労、ストレスや睡眠不足を避けることが大切である。

粥腫

じゅくしゅ。
コレステロールエステルを大量に含んだ脂質の塊。
粥腫は血管の内側の膜(内膜)に蓄積し、隆起している。粥腫の内側にはコレステロールなどの脂質のほか、リンパ球やマクロファージなども浸潤しており、外側は膠原線維や弾性線維などによって覆われたさらに外部を内皮で包まれて血液と接している。
動脈硬化のなかでも粥腫によって引き起こされるものを粥状硬化と呼び、粥状硬化によって生じた循環障害を粥状硬化症と呼ぶ。

粥腫のことをアテローム、プラークと呼ぶこともある。

粥状硬化

じゅくじょうこうか。
動脈硬化の一種。アテローム硬化ともいう。
粥腫とよばれる脂質(特にコレステロール)が動脈壁に沈着する症状。
詳しくは動脈硬化を参照。

情動失禁

じょうどうしっきん。
わずかな刺激で過剰に泣いたり、笑ったり、怒ったりすること。認知症患者によく見られる症状である。
感情失禁ともいう。

情動脱力発作

じょうどうだつりょくほっさ。
カタプレキシー(Cataplexy)とも呼ばれる。
喜怒哀楽など、強い感情の動きが引き金になって、全身の筋力が抜けてしまう発作。
症状の程度はわずかに脱力感を覚えるほどの軽微なものから、崩れ落ちるように転倒してしまうといった重度な症状まで様々であるが、はっきりとした原因は不明である。
ナルコレプシーに伴って併発するケースが多い。

静脈瘤

じょうみゃくりゅう。
静脈の壁の一部が何らかの原因で薄くなり、その血管が膨らむことで発病する循環器病のこと。虚血や梗塞を引き起こす恐れがある。
静脈瘤の種類には食道静脈瘤や腹壁静脈瘤などがあるが、一般には下肢静脈瘤を指すことが多い。
バリックスともいう。

褥瘡

じょくそう。
長期間ベッドに寝ている患者や車いすの利用者に多くみられる、いわゆる「床ずれ」のこと。
接触局所が長時間にわたって圧迫され、血行不全となることで周辺組織に壊死、潰瘍を引き起こす。

■発生しやすい部位・原因
仙骨部(おしり〜腰の中心部分)、坐骨部(座ったときに当たるおしりの両脇)、大転子部(横になるときにあたる腰の部分)、肘部、踵部など。
長時間の圧迫やずれが褥瘡の最大の原因ではあるが、これらに加えて、栄養不良や関節変形、運動能力の低下といった様々な要因がからみあって発生するため、治療・診断にあたっては多方面からのアプローチが必要となる。

■症状
深さ、広がりなど様々な症状がある。
浅いものであれば、皮膚の紅斑やびらん(浅く皮膚がむけたもの)で済むが、深くなれば皮下脂肪や骨にまで達する。
広がりについても、潰瘍が進みクレーターのようになる場合もあれば、表面の病変は小さく見えても皮膚のなかに大きなポケットが形成される場合もある。また、褥瘡の進行に伴って細菌感染を発症することもあり、最悪の場合、皮膚がんを引き起こす。

■治療方法
患部の深さや大きさ、進行度合いによって治療方法は異なるが、全身療法としては体圧の分散(徐圧)、栄養状態の改善に努める。除圧のためには根気強い体位交換や除圧マット(体圧分散マットレスなど)の使用が欠かせない。また局所療法としては、患部の洗浄や壊死組織の切除(デブリードマン)、ポケットの切開などがある。
いずれにしろ、治療には医師、看護師、栄養士など多方面からのアプローチが必要である。

病院などの医療施設では、褥瘡対策専門チームを設ける、皮膚・排泄ケア領域の認定看護師(WOCナース)や褥瘡リンクナースによって褥瘡への理解・ケアの徹底を深める、などの対策を行っている。

徐脈

じょみゃく。
不整脈の一種で、脈が遅くなる(1分間に60回以下)症状のこと。洞性徐脈、徐脈性不整脈とも言われる。脈拍が少ないため、日常生活や運動に必要な酸素を体中に行き渡らせることができず、めまいや息切れを引き起こす。
徐脈の原因としては、洞機能不全症候群や房室ブロックのほか、薬物による副作用や抗不整脈薬などが挙げられる。

徐脈性不整脈

じょみゃくせいふせいみゃく。
脈が遅くなる不整脈(通常、1分間の脈拍が60回未満)のこと。徐脈ともいう。
安静時や軽い労作でも、めまいや息切れを引き起こす。
徐脈性不整脈の原因としては、甲状腺機能低下症や洞不全症候群、房室ブロックのほか、薬物による副作用や抗不整脈薬などが挙げられる。
徐脈性不整脈の種類には、洞房ブロックや房室ブロック、洞不全症候群、呼吸性不整脈、脚ブロックなどがある。

腎不全

腎機能が低下した状態のこと。
腎臓は血液中の老廃物を除去する役割を持っているが、糸球体の目が炎症などによって詰まってしまうと、腎臓の老廃物ろ過機能が低下する。このような状態を腎不全と呼ぶ。腎不全が進行すると、尿毒症や高カリウム症状を引き起こし、生命に危険を及ぼす場合もある。 腎不全は症状や部位によって急性/慢性や腎前性(じんぜんせい)/腎性/腎後性(じんごせい)などに分けられる。
急性腎不全は出血や急激な血圧低下、感染症によって引き起こされ、治癒の可能性は比較的高い。一方、慢性腎不全は慢性糸球体腎炎や糖尿病性腎症などによって引き起こされ、慢性化すると回復は不可能となる。このような場合、機能不全に陥った腎臓に代わって血液中の物質バランスを整えるため、人工透析が導入されることになる。

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生活習慣病

せいかつしゅうかんびょう。
高血圧、糖尿病、脳梗塞、心臓病、高脂血症、肥満などを含む疾病群。過剰な栄養摂取や運動習慣の欠落といった生活習慣の乱れによって生じるため、このように呼ばれる。
従来は成人病と呼ばれていたが、生活習慣の改善による発症予防に重点を置いた対策を推進するため、「生活習慣病」と呼ばれるようになった。
現在では、日本人の3分の2近くが生活習慣病で死亡していると言われる。

精神分裂病

幻覚や妄想といった症状が現れ、末期には精神荒廃・人格欠陥に至る病気で、躁うつ病と並ぶ精神病である。
最近は統合失調症という。詳細は統合失調症を参照。

成人病

せいじんびょう。
現在では生活習慣病と呼ばれる。
がんや心筋梗塞、脳梗塞のほか、高血圧や動脈硬化などの種類がある。これらの病気は、以前は加齢が原因であると考えられていたため成人病と呼ばれていたが、今では長年の生活習慣が密接に関わる疾病のため、生活習慣病と呼ばれるようになったのである。

先天性股関節脱臼

せんてんせいこかんせつだっきゅう。
出生前後に股関節が外れる疾患。
原因には以下が考えられている。
■出生前要因
子宮内の姿勢異常、骨盤位、子宮筋腫、遺伝など。
■出生後要因
窮屈なおむつ(巻きおしめ)、厚着、横向きのだっこなど。乳児の下肢を伸ばした状態で固定することにより、脱臼を発生させると推定されている。
日本では1970年代の予防活動により、発生頻度が2%から0.1〜0.2%へと激減した。

股関節は、歩行をはじめとした諸動作を行ううえで極めて重要な関節であり、わずかなズレや形状異常でも運動機能は大きく障害される。また、立位や坐位などの姿勢にも影響を与え、腰痛の原因ともなる。そのため、整復治療が必要となる。
先天性股関節脱臼には亜脱臼(骨頭が臼蓋の中にある状態)と脱臼(完全脱臼)(骨頭が臼蓋から完全に外れている状態)があり、それぞれ治療法が異なる。
亜脱臼の場合は自然治癒することも多く、股関節まわりの筋肉バランスを整えれば回復することがほとんどである。
完全脱臼の場合はリーメンビューゲルの装着や手による整復、手術が行われ、およそ8割の乳児がリーメンビューゲルにより自然整復すると言われる。しかし、整復中に大腿骨壊死を生じやすいことから、治療には困難が多く、再手術が行われることもしばしばである。

せん妄

せんもう。
一時的に不安感が募ったり、錯覚や幻覚を起こしたりして、異常な行動や言動、興奮が見られる状態。意識障害のひとつ。
原因には脳の病気や薬の副作用、入院や引越しによる心理的ストレスなどが挙げられ、抗精神病薬の投与などによって治療が行われる。
高齢の入院患者の10〜20%、70歳以上になると30%がせん妄に陥る(おちいる)とされる。
痴呆に比べて、急激に発症するのが特徴である。夜に限ってせん妄が現れる症状は夜間せん妄という。

ゼグレート

痰(たん)のこと。
疾病等に関する他の業界用語には、ラプ(らぷ)やネク(ねく)などがある。

全身性エリテマトーデス

全身性紅斑性狼瘡のこと。
詳細は全身性紅斑性狼瘡の項目をご参照下さい。

喘鳴

ぜんめい。
「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という呼吸音。上気道に痰がひっかかったり、気管や気管支が狭くなったりすることが原因。気管支喘息の患者などにみられる。

続発性

ぞくはつせい。
ある疾患に関連して発生する病気や症状のこと。二次性ともいう。対義語は原発性である。
続発性がつく病名としては、続発性項血圧や続発性免疫不全症候群などが挙げられる。

代謝症候群

メタボリックシンドローム(Metabolic Syndrome)、メタボリック症候群、内臓脂肪症候群ともいう。
詳しくはメタボリックシンドローム(Metabolic Syndrome)を参照。

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多臓器不全

多臓器不全症候群のこと。
詳細は多臓器不全症候群をご参照ください。

胆石

胆汁の成分が固まって出来た石のような物で、胆嚢や胆管などに蓄積される。コレステロールやビリルビンカルシウム石、黒色石などが成分となることが多い。
胆石により何らかの症状が引き起こされることを胆石症という。胆石は成人の10%前後が保有しているとも言われ、胆石保有者が必ずしも胆石症を発症するわけではない。

胆石症

胆石により何らかの症状が引き起こされること。胆石が溜まる場所によって胆嚢結石症、胆管結石症、肝内結石症に区別される。ただし胆石は成人の10%前後が保有しているとも言われ、胆石保有者が必ずしも胆石症を発症するわけではない。
胆石症の主な症状は腹部や背中に感じる痛みや吐き気・嘔吐であり、なかでもわき腹やみぞおちに感じる痛みは、激痛となる場合もある。その一方で自覚症状の伴わないケースも多い。
胆石症の治療方法としては、胆石症の原因となる胆嚢を摘出する胆嚢摘出術、胆石溶解剤によって胆石を溶かす胆石溶解療法、体外から強い衝撃波を当てて体内の胆石を砕く体外衝撃波胆石破砕療法などがある。

胆嚢炎

胆石や炎症が原因で胆嚢が炎症を起こした状態。胆嚢炎患者の多くは胆石症を併発している。
胆石に細菌が付着することで胆嚢が感染したり、胆嚢の出口や胆嚢管が胆石によってふさがれ、そこに溜まった胆汁が細菌に感染したりすることで発症する。主な症状としては、吐き気や嘔吐にくわえ、右上腹部や右肩の痛み、黄疸などが挙げられる。
胆汁の排泄障害は腹膜炎や肝膿瘍、敗血症といった危険な合併症を引き起こす恐れがあるため、溜まった胆汁を取り除くために経皮経肝胆嚢ドレナージが行われる。

チアノーゼ

血液の酸素欠乏によって皮膚などが暗紫色になること。
身体の表面にある毛細血管中の還元ヘモグロビンが5mg/dl以上に増える場合をいう。

痴呆症

ちほうしょう。
認知症のこと。脳の障害により、いったん正常に発達した知能が低下した状態をいう。詳細は認知症を参照。

中膜硬化

動脈硬化の一種。メンケルベルグ型硬化ともいう。
動脈壁にカルシウムが沈着して起こる動脈硬化のこと。
詳しくは動脈硬化を参照。

腸間膜動脈閉塞症

小腸や大腸を栄養する血管が狭くなったり閉塞したりすることで、腸が壊死する病気。血栓や塞栓によって引き起こされる。
なかでも急性腸間膜動脈閉塞症は、激烈な腹痛を突然おぼえることで発症する。急な腹痛を呈する疾患は他にも多数存在するので、検査や経過観察に時間をとられてしまうと必要な処置が遅れ、最悪の場合死にいたる。原因不明の急激な腹痛を訴える患者には血管撮影を行うことが必要である。

腸重積

ちょうじゅうせき。
腸の一部が同じ腸の中にもぐりこんでしまう病気(小腸の終わりの部分(回腸)が大腸に入り込む場合が多い)。
生後3、4カ月〜1才の乳児に起こりやすいと言われているが、はっきりとした原因は分かっていない。
腸重積になると、腸の内容物の通過障害や、血流の遮断による壊死が引き起こされ、最悪の場合、腹膜炎を起こして死に至る。
腸重積を元の状態に戻す(整復する)には、造影剤を肛門から注入して圧を加える(注腸造影検査・高圧浣腸法)、肛門から空気を注入するといった方法がとられるが、それでも整復されない場合は手術が行われる。

腸閉塞

イレウスともいう。
食べ物や消化液が小腸や大腸で滞った(内容物が腸に詰まっている)状態。
腸が広がり、張ってくるため、腹部が張って痛くなり、肛門の方向へ進めなくなった内容物が口に逆流して吐き気、嘔吐を引き起こす。
イレウスは以下のものに分類される。

■機能的イレウス
神経の障害により腸管の運動障害がおこり、腸管内容が停滞する症状。

■機械的イレウス
腸管そのものの病変によって腸管内腔の狭窄、閉塞を起こしたもの。開腹手術後の炎症や、大腸癌などでできた腫瘍、異物の誤飲などによって引き起こされる。
機械的イレウスには、腸管内容の通過障害だけが生じている「閉塞性イレウス」と、腸管の閉塞と同時に何らかの原因により腸管が締め付けられている(絞扼(こうやく)が生じている)「絞扼性イレウス」がある。絞扼性イレウスは放置すると腸の壊死を引き起こし、死に至る疾患である。絞扼性イレウスであれば手術は不可避なため、診断の際は絞扼しているイレウスなのか、そうでないイレウスなのかの判断が重要となる。

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低心拍出量症候群

心拍出量が減少する症状。
心臓手術の直後や、急性心筋梗塞、心肺蘇生を行った後などに起こり、 心係数が2L/min/m2以下の場合、低心拍出量症候群と診断される。
治療方法には、血管拡張薬や強心薬(カテコラミン、PDGV阻害薬など)による薬物療法のほか、大動脈内バルーンパンピング、補助人工心臓の使用などがある。

低ナトリウム血症

血液中のナトリウム濃度が低くなること。腎臓の能力を超えた量の水分が摂取されると引き起こされる。
例えば、入院患者が点滴によって多量の水分を投与された場合、また、慢性的な下痢等により体液が失われている場合に発症する。心疾患や肝硬変の患者に起こることも多い。
血液中のナトリウム濃度が急激に下がると嗜眠(しみん)や錯乱、筋肉のけいれん、昏迷や昏睡が起こり、やがて死に至る。
軽い低ナトリウム血症であれば、水分摂取量を減らすことで治療することができるが、重度の場合は投薬・点滴によってナトリウム濃度を上昇させる必要がある。ただ、濃度を急激に上げると、不可逆的な脳損傷を引き起こす恐れもあるため注意が必要である。

テネスムス

しぶり腹のこと。医療現場で使われる用語である。
腹痛があって、頻繁に便意をもよおすのに、ほとんど便が出なかったり、排便があってもわずかしかない症状のこと。
詳細はしぶり腹を参照。

てんかん

大脳神経細胞の過剰発射(てんかん発射)によって引き起こされる、反復性の発作(てんかん発作)を特徴とした慢性脳疾患の総称。
通常、脳細胞(ニューロン)は、互いに調和を保ちながら電気信号を送りあっている。この神経細胞の電気的活動が異常興奮を起こしている状態を、てんかんという。また、この脳の電気的ショック状態が身体に発作となって現れるのが、てんかん発作である。
原因は患者ごとに様々であるが、脳炎や脳出血、脳外傷といった脳の障害や傷によって引き起こされるもの(症候性てんかん)と、原因不明のもの(特発性てんかん)がある。

てんかん発作

てんかんによって引き起こされる、反復性のある発作のこと。
てんかん発作は突然起こり、短時間で突然消失することがほとんどである。通常の発作は数十秒から数分以内で回復する。

てんかんの症状は一人一人異なるが、大きく分けると「全般発作」と「部分発作」に分類される。
全般発作は、発作のはじめから脳全体が異常興奮するもので、全身の痙攣を引き起こす「全般性強直間代発作(大発作)」や、数十秒の短い間意識が途切れるだけで痙攣を伴わない「欠神発作(小発作)」などがある。
部分発作は、発作の当初、脳の一部分が興奮状態になることで引き起こされるてんかん発作である。意識は保たれたまま体の一部分がけいれんする「単純部分発作」や、意識障害を伴う「複雑部分発作」、部分発作から始まり、全身のけいれんに発展する「二次性全般化発作」などに分けられる。

てんかん発作の発症率は「100人に1人」とも言われるが、現在では抗てんかん薬などにより発作をコントロールしながら社会生活を送ることも可能である。

テーベー

結核のこと。結核をあらわすTuberculosisより。「TB(Tuberculosis)」と略されることもある。

ディメンツ

痴呆症のこと。
後天的な脳の器質的障害により、いったん正常に発達した知能が低下した状態。
痴呆を意味する英語Dementiaに由来。
デメンツ、デメンティアとも言われる。

デブリ

Debridement。
壊死組織や汚染組織の切除を意味する、臨床現場での用語。
「褥瘡患者の患部をデブリする」などと使う。
デブリートマンやデブリードメントとも呼ばれる。

デブリードマン

Debridement(ドイツ語)に由来。デブリードメントともいう。
感染、壊死組織を除去し、患部を清浄化することで他の組織への影響を防ぐ外科処置のこと。
略してデブリと言われることもある。

デブリードメント

壊死した組織を切除すること。創傷外科治癒の原則である。
デブリートマン、デブリとも言う。

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デプる

うつ状態のこと。医療業界で使われる略語である。
うつ病のことをDepression、デプレッションというため、このように使われる。
症状を表す同様の略語にはステる、タキる、ベジるなどがある。

デメンツ

痴呆症のこと。痴呆を意味する英語Dementiaより。
医療現場で使われる専門用語である。
一般にはディメンツと呼ばれることが多い。

デメンティア

痴呆症。痴呆を意味する英語Dementiaに由来。
医療従事者が使う業界用語である。
ディメンツ、デメンツともいう。

伝音性難聴

でんおんせいなんちょう。
詳しくは難聴を参照。

統合失調症

とうごうしっちょうしょう。
躁うつ病と並んで代表的な精神病の1つ。2002年までは精神分裂病と呼ばれていた。
患者数は100人に1〜2人の割合とされ、罹患率は決して低くない(十二指腸潰瘍や胃潰瘍などの有病率は100人に1〜2人、喘息は100人に3人程度と言われている)。

【症状】
大きく分けて「陽性症状」と「陰性症状」に分類される。
(1)陽性症状(本来あるはずのないものが現れる状態)
幻覚・幻聴や妄想、知覚の歪み、独り言・空笑、思考の中身が周囲に知られているような感じ、外から身体や思考を操られるような体験(させられ体験・作為体験)、思考や動作のまとまりのなさ、異常な興奮や緊張など。
陽性症状は誰が見ても明らかに異常と分かる、際立った症状である。
(2)陰性症状(あるべきものが低下したり失われる状態)
自閉、社会的なひきこもり、意欲・集中力の低下、異常な疲れやすさ、自然な感情を持てない、会話量の減少、複雑・抽象的な思考ができない、思考や行動がパターン化してしまう、といった症状。
あまり目立たないが、慢性的な症状である。
(1)、(2)の他にも不眠や食欲異常、不安症状、抑うつといった様々な身体症状が見られるが、患者に病識がないことも特徴である。
統合失調症は突然発症することもあれば、数日から数週間かけて発症する場合もある。

【原因】
遺伝的素因や脆弱性に慢性的ストレスが加わり、脳内物質のバランスが崩れるとそれが引き金となり、発症に至る。
統合失調症を発症すると、神経伝達物質であるドーパミンの活動が過剰となり、情報伝達に混乱をきたした結果、幻覚・幻聴といった症状が出現すると考えられているため、治療にあたってはドーパミンの活動異常を抑える薬が用いられる。

【治療方法】 抗精神病薬といった薬物療法(化学療法)や精神療法のほか、身体療法(電気けいれん療法など)、認知行動療法がある。

糖尿病

血液中のブドウ糖濃度、血糖値が異常に高まることによって、多くの合併症を引起す可能性のある疾患。糖代謝の異常によって起こるとされている。
血糖値が一定以上に高まると尿が甘くなる「尿糖」という症状が現れる。この「尿糖」の症状から糖尿病という名前がつけられた。尿が甘くなる原因は、尿中にもブドウ糖が漏出するほど、血中の糖成分が増えるため。
1985年に治療にインスリンを用いるかによって、「インスリン依存性糖尿病(IDDM)」「インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)」分類されていた。
しかし、14年後の1999年に糖尿病を発症した原因によって「1型糖尿病」「2型糖尿病」へと日本糖尿病学会に分類された。
1型糖尿病はすい臓にある膵β細胞を自己免疫が破壊し、インスリンを自身の体で生成できなくなったことが原因。2型糖尿病は肥満や遺伝的背景によってインスリンの量が足りなくなることで発症する。

糖尿病

DM(Diabetes Mellitus)。
血糖値(血中のブドウ糖濃度)が病的に高いまま下がらなくなる病気。血糖を押さえる作用をもつインスリンの不足や、インスリン感受性の低下、妊娠などによって引き起こされる。
日本では、空腹時血糖が126mg/dL以上となると糖尿病と診断される。 のどの渇きや空腹感、脱力感や頻尿といった自覚症状があるほか、網膜症・腎症・神経障害などの危険な合併症を起こしやすい。
合併症のなかには治療困難なものも多いため、予防が重視されており、早期発見・早期治療につとめることが大切であると考えられている。国内患者数は予備軍を含めると2000万人にのぼるとされる。
糖尿病の分類としては、インスリンの分泌量が絶対的に不足する1型糖尿病、インスリンの効き目(インスリン感受性)が低下する2型糖尿病、妊娠によって起こる妊娠糖尿病、その他疾患に伴って発症する2次性糖尿病がある。

糖尿病性腎症

糖尿病の3大合併症のひとつ。
糖尿病によって腎臓の糸球体を構成する毛細血管が動脈硬化を起こし、むくみや高血圧などの症状を引き起こす。糖尿病性腎症の自覚症状は発症後10年以上経ってから現れるため、むくみなどを自覚した場合は疾病がかなり進行していることを示す。
糸球体が動脈硬化を起こすと、血液の老廃物ろ過を行う糸球体の網目が粗くなる。そのためタンパク質が目を通り抜けてしまい、タンパク尿が出る。また、腎機能が低下して腎不全となると、老廃物が体内に蓄積され、尿毒症となる。

特発性呼吸窮迫症候群

呼吸窮迫症候群のこと。詳細は呼吸窮迫症候群をご参照下さい。

トラウマ

心的外傷後ストレス障害のこと。
詳細は心的外傷後ストレス障害をご参照下さい。

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洞機能不全症候群

洞不全症候群のこと。
詳細は洞不全症候群の項目をご参照下さい。

瞳孔不同

左右で瞳孔の大きさが違う状態(差が0.5mm以上)のこと。瞳孔不同は通常生理的なもので、症状はなく正常な対光反射は損なわれない(生理的瞳孔不同)。
一方、瞳孔径の左右差が1mm以上の場合は病的と診断され、ホルネル症候群、アディー瞳孔、脳神経麻痺、虹彩炎、緑内障などが原因として考えられる。
瞳孔不同の英語名Anisocoriaから、アニソコリー、アニソコなどと呼ばれることもある。

洞不全症候群

洞機能不全症候群。
心拍のリズムを調節する洞結節(洞房結節、ペースメーカー)の機能が低下し、洞性徐脈、洞停止、洞房ブロックなどを起こす疾患。心房粗動や心房細動、発作性上室性頻拍などを合併する場合もある。
洞不全症候群の患者は、普段から心拍数が少なく、運動しても上昇しないため、脳の虚血が起こって失神発作などを生じる。めまいや失神などの原因が洞不全症候群にあると確認される場合にはペースメーカーが適応される。

動脈硬化

動脈壁への脂質の沈着や血管壁の肥厚によって、壁の弾力性が低下した状態のこと。その結果、血管の狭窄や血栓・塞栓を引き起こし、関連臓器の循環障害や機能障害を招く。狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患、脳梗塞をはじめとする脳血管障害、腎不全などの腎疾患がその代表例である。
動脈硬化は沈着物や発症場所により大きく3タイプに分けられる。動脈壁に脂質(特にコレステロール)が沈着する粥状(アテローム)硬化、カルシウムが沈着するメンケルベルグ型中膜硬化、脳・腎臓などの細い動脈が硬化する細動脈硬化である。もっとも患者数が多いのは粥状(アテローム)硬化である。

内出血

血液が血管から流れ出し、体内(皮下)に出てしまうこと。
体表や手足の内出血は見つけやすく、重篤な状態になることは少ないが、胸腔や腹腔の内出血のほか、大動脈、肝臓や脾臓といった血管が多く集まる臓器からの出血は少量であっても死を引き起こす恐れがある。

内臓脂肪症候群

メタボリックシンドローム(Metabolic Syndrome)、メタボリック症候群、内臓脂肪症候群ともいう。 詳しくはメタボリックシンドロームを参照。

ナルコ

過眠症、居眠り病。
ナルコレプシー(Narcolepsy)を略したもの。

ナルコレプシー

Narcolepsy。
睡眠障害のひとつ。代表的な過眠症で、居眠り病と呼ばれることもある。 日中、時間や場所を選ばず、耐えがたい睡魔に襲われて眠り込んでしまう病気。
昼間の耐え難い眠気(睡眠発作)に加えて、情動脱力発作(カタプレキシー)を伴う場合もある。

難聴

聴力が低下して、音や声が聞こえにくくなる状態。主に老化によって引き起こされるが、中耳炎をはじめとした病気が原因となることもある。
難聴は、原因となる部位から、伝音性難聴、感音性難聴、混合性難聴の3つに区別される。

耳は鼓膜より外側の外耳、鼓膜から前庭窓(ぜんていそう)までの中耳、蝸牛(かぎゅう)・前庭・三半規管からなる内耳で構成されている。
人が聞いた音や声は、外耳と中耳で空気振動として内部に伝えられ、内耳にある蝸牛で電気信号に変換されたのち、神経を通じて脳に伝達される。
音を伝える役割を持った外耳と中耳は伝音系、内耳以降は感音系と呼ばれている。

伝音性難聴とは外耳、鼓膜、中耳の障害により聴力が低下する症状で、中耳炎が引き起こす難聴などがこれにあたる。伝音性難聴は音を聞くための神経には異常がないので、治療で改善される可能性があり、また補聴器を利用すれば聞こえるようになる場合も多い。
感音性難聴は内耳あるいは聴覚神経に障害があるため引き起こされる難聴である。内耳までは音が正確に伝わっているものの、神経器官で正しく信号化されないため、「声は聞けるのに間違って聞こえてしまう」「雑音との聞き分けが出来ない」といった症状が起こる。感音性難聴は神経系統の障害であるため、医学的な治療は困難とされる。
混合性難聴は伝音性難聴と感音性難聴の両方の症状を持った状態で、老人性難聴の多くは混合性難聴である。

また、その他の種類として突発性難聴があるが、突発性難聴は原因不明のことが多い。

2枝ブロック

右脚だけでなく、左脚の枝分かれした2つの枝(左脚前枝、左脚後枝)のどちらかもブロック(伝導障害が発生)している状態のこと。左脚の残りのひとつの枝もブロックすると、3枝ブロックとなる。
3枝ブロックと合わせて多枝ブロックと呼ぶこともある。

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二次性

ある疾患に関連して発生する病気や症状のこと。続発性ともいう。対義語は原発性である。

乳がん

乳腺組織に発生したがんのこと。
乳腺を構成する乳管や小葉の内側を構成する上皮細胞から発生する。

乳がんは大きく分けて「非浸潤がん」、「浸潤がん」、「パジェット病」の3種に区別される。
がん細胞が乳管や小葉にとどまっているものが「非浸潤がん」あるいは「乳管内がん」、がん細胞が乳管や小葉を破って外側に広がっているものが「浸潤がん」、乳管に発生した非浸潤がんが開口部である乳頭に達して病変を引き起こすのが「パジェット病」である。

乳がんにかかる女性は年々増えており、女性のがんのなかでも罹患者数が最も多い。発症率は50歳前後で最大となり、閉経後に低下する。
乳がんの発症には女性ホルモン、エストロゲンが大きく関与しており、女性ホルモンが分泌される期間が長いほど乳がんにかかりやすいといわれている。
生理的要因としては、初経年齢が早い、閉経年齢が遅い、出産歴がない、初産年齢が遅い、授乳歴がないことがリスク要因とされる。このほかのリスク要因には、一親等の乳がん家族歴や高身長、閉経後の肥満、飲酒習慣などが挙げられる。
乳がんは罹患する確率の高い疾病ではあるものの、優れた検査法や治療手段が多いことから、早期に発見して適切な治療を受ければ完治することが可能ながんである。早期発見・早期治療のためにも、マンモグラフィやエコー検査といった乳がん検診を定期的に受信することが大切であるとされる。

なお、乳がんは女性だけでなく男性も発症する病気である。
また、医療現場では乳がんのことをマンマと呼ぶこともある。

尿毒症

腎機能の激しい低下のために、血液中の老廃物(特に窒素成分)が十分に除去されないまま体内に蓄積され、疲労や嘔吐、貧血、神経症状等を引き起こす病気。急性腎不全の際、また慢性腎不全の末期にみとめられる。
不要な電解質等を体外に排泄できないため、高カリウム血症をはじめとした重篤な疾病を招くこともある危険な病気である。

尿崩症

にょうほうしょう。
血中浸透圧に比較してADH(Anti-Diuretic Hormone)の分泌が不足している状態。
抗利尿ホルモン(バソプレッシンともいう)の分泌低下により、体内への水分の再吸収が低下し、多尿を引き起こす。口渇、多飲、多尿が主な症状である。

認知症

にんちしょう。
正常に発達した後に出現した、病的・慢性的な知能低下が進行する状態。以前は痴呆症と呼ばれていた。高齢者が発症し、現在では85歳以上の高齢者の3〜4人に1人が認知症といわれている。
症状としては、記憶障害や失語、幻覚・妄想(被害妄想)、性格変化(無気力、頑固、怒りっぽい)、感情失禁、夜間せん妄、睡眠障害などが挙げられ、症状は徐々に進行する。
認知症の原因にはアルツハイマー病や脳血管性認知症などが挙げられ、検査方法としては、頭部CT(Computed Tomography)によるびまん性大脳萎縮の有無や脳血管障害の有無がある。

熱傷

一般的には火傷と呼ばれる、お湯や油などの熱・化学薬品・放射線などによって引き起される皮膚を主とした体表組織の損傷のことを言う。
温度と時間によって傷の深さが決まり、炎の場合は、温度は高いが接する時間が短いので傷は浅く、しかし湯たんぽなどの温度が低く、接する時間の極端に長い低温火傷では、深部に及ぶことが多く見られる。 【熱傷の種類】
○ 1 度
・ ひりひりして赤くなる
・ 一時的な色素沈着
・ すぐに軽快する
○ 2a度
・ 痛みが強く赤くなり24時間以内に水泡が形成される
・ 治療で上皮化して色素沈着などを起こす
・ 治癒まで半年ほどかかる
○ 2b度
・ 潰瘍を形成。上皮化に長期間かかり瘢痕を残す
・ 関節部位などは早期に植皮が必要となる
○ 3度(4度)
・ 黒色のかさぶたを形成
・ 知覚が失われ、無痛状態となる
・ 2週間ほどで範囲が限局され、狭い範囲での受傷場合、上皮化するが痕を残す
・ 上皮化しない場合は、植皮が必要となる
※ 最近の治療薬として細胞増殖因子のβFGFが有望だと言われてる。また、度数が増える(傷が深く
なる)程、面積が広い程治癒に時間がかかる。

脳血管障害

脳梗塞や脳卒中、クモ膜下出血といった脳疾患の総称。脳の血液循環障害によって引き起こされる。
動脈が閉塞・狭窄したり、血管が破れて血液が流出したりすると、脳組織に酸素や栄養が行き渡らなくなり、細胞の壊死を招く。壊死や障害が広範にわたり、長時間続くと、意識障害や麻痺を引き起こし、最悪の場合死にいたる。

脳梗塞

脳軟化症ともいわれる。
脳動脈の閉塞・狭窄により、脳組織に酸素や栄養が行き渡らず、壊死を引き起こす疾患。広範に冒されると運動障害や意識障害、手足の麻痺などを招く。脳梗塞のなかでも急激に発症したものは脳卒中と呼ばれ、癌、心臓病とならび日本人の死亡原因の多くを占めている。
脳梗塞の最大の危険因子は動脈硬化であり、多くの場合、その背景には高血圧症や糖尿病、喫煙などがある。
脳梗塞の臨床分類としては、以下の4種類に分けられる。大きな動脈の血流障害が原因となる「アテローム血栓性脳梗塞」、細い動脈の梗塞が原因となる「ラクナ梗塞」、心臓内にできた血栓が脳内血管にまで流れて閉塞を引き起こす「心原性塞栓症」、その他の脳梗塞である。脳梗塞によってあらわれる症状は、冒される部位によって異なるため、症状をもとに壊死部分を決定することが可能である。
ちなみに、脳軟化症という呼び名は、壊死した脳細胞は柔らかく溶けてしまうことから付けられた。

脳性小児麻痺

脳性麻痺ともいう。
詳しくは脳性麻痺を参照。

脳性麻痺

脳性小児麻痺や小児脳性麻痺とも呼ばれる。
胎生期から新生児期(生後4週間まで)に受けた脳の損傷が引き起こす、運動機能障害を伴う病気。
脳の損傷部位によって症例は分類されるものの、運動発達の遅れやけいれん、身体の硬直などが多く見られる。症状の重さは、わずかにぎこちなさを覚えるような軽度のものから、松葉づえや車椅子が必要となる重度のものまで幅広い。
脳性麻痺の治療は極めて困難なため、リハビリや機能訓練によって運動能力を改善し、それによる自立を目指すことが大切である。

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脳内血腫

脳内を走る血管が破れて出血をおこし、血管から漏れた血液が脳内に溜まる症状。高血圧によって血管が破れる場合と、外部からの衝撃によって血管が破損する場合があり、両者を区別するため、後者は外傷性脳内血腫と呼ばれることもある。
血腫によって脳が圧迫されたり、脳組織がダメージを受けたりするため、頭痛、嘔吐、意識障害などが引き起こされる。特に、外傷性脳内血腫は硬膜下血腫の発生も疑われるため、危険な状態といえる。

脳軟化症

脳梗塞とも呼ばれる。
詳しくは脳梗塞を参照。

脈波伝播速度

PWV(Pulse Wave Velocity)ともいう。
心臓から送り出された血液による拍動が、血管を通じて手足に届くまでの速度のこと。
脈波伝播速度は血管内の壁の厚さや硬さによって変化し、血管が硬いほどその速度は速くなる。このため、脈波伝播速度は動脈硬化の指標として使われるのである。
また、脈波伝播速度から血管年齢なども計測される。

肺炎球菌

肺炎、気管支炎といった呼吸器の感染症や、中耳炎・髄膜炎などを引き起こす細菌。
80以上の型があるため、それぞれの型に対応する免疫をつける必要がある。一般には肺炎球菌ワクチンの摂取による予防を行う。

肺がん

肺や気管、気管支に発症する悪性腫瘍。喫煙や加齢、アスベストや大気汚染が原因に挙げられる。
年齢別にみた肺がんの罹患(りかん)率、死亡率は、ともに40歳代後半から増加し、高齢者ほど高くなる。また、性別で見ると、罹患率、死亡率ともに男性のほうが女性より高く、女性の3倍から4倍にのぼっている。
肺がんによる死亡者は他の部位のがんに比べて多く、男性で1位、女性で2位である。

肺がんは、発生部位などにより以下に分類される。
■扁平上皮がん(へんぺいじょうひがん)
 ・喫煙習慣があるほど発生率が高まる
 ・肺門に発生することが多い
■腺がん
 ・最も多く、全肺がんの50%以上を占める
 ・抹消肺野に生じることが多い
■小細胞がん
 ・喫煙習慣があると発症しやすい
 ・肺門に生じることが多い
 ・細胞の増殖が速く、転移を起こしやすい
 ・予後は不良である
■大細胞がん
 ・末梢肺野に発生する
 ・転移しやすい

【症状】
 咳、痰、胸の痛み、呼吸困難、嚥下障害、頸部や上腕の浮腫
【治療】
 化学療法のほか、放射線療法、外科療法などがとられる

敗血症

肺炎や肝・腎疾患など、感染を起こしている部分から血液中に細菌が流れ込み、全身に及んだ状態。重篤な全身症状を引き起こす。
症状としては、発熱、心拍数や呼吸数の増加、低血圧、意識障害が挙げられ、ショックを引き起こす場合もある(敗血症性ショック)。また、肺や腎、肝が侵されると呼吸不全や腎不全、肝不全を併発することもある。
敗血症治療は抗菌薬による化学療法が中心となるが、治療が遅れたり重篤な合併症を引き起こしたりしている場合は死に至る恐れのある、重篤な疾患である。

廃用症候群

はいようしょうこうぐん。
長期の安静状態が続くことによって起こる、さまざまな心身の機能低下のこと。寝たきりになる大きな原因と考えられている。
健康な人でも体を動かさなくなると、筋肉や関節・心肺など、全身の機能はどんどん低下する。心身機能を十分に使わずにいるため、筋骨格や循環器なども徐々に衰えていくのである。

廃用症候群では、以下のような症状が挙げられる。
・筋萎縮
・関節拘縮
・褥瘡(床ずれ)
・廃用性骨萎縮(骨粗鬆症)
・起立性低血圧
・精神的合併症
・括約筋障害(便秘・尿便失禁)

廃用症候群の予防には病院での機能訓練なども効果はあるが、最も大事なことは、身の周りのことはなるべく自分で行い、家事や趣味などの社会活動にも積極的に行うよう、日常的に心がけることだと言われている。

汎発性腹膜炎

はんぱつせいふくまくえん。
腹膜炎のひとつ。パンペリとも呼ばれる。
腹腔内全体に炎症が広がっている状態で、緊急手術が必要とされる。
汎発性腹膜炎は消化器疾患の合併症として起こるが、その原因は大きく分けて以下の2つである。
(1)腹腔内の臓器の炎症(急性虫垂炎など)が腹膜へ波及することによって発症する場合
(2)外傷、消化管疾患などによって胃液、胆汁などが腹膜へ漏れ出ることで引き起こされる場合
汎発性腹膜炎で見られる症状には、腹部の激痛、喉の渇き、吐き気、嘔吐、発熱などが挙げられる。

梅毒

TP(Treponema Pallidum)という病原体(スピロヘータ)の感染により、皮膚や粘膜のみならず、全身の臓器や組織が冒される感染症。胎児にも障害を及ぼす。梅毒は代表的な性行為感染症である。
梅毒の診断にはリン脂質を抗原とする脂質抗原試験と、TP菌体を抗原とするTreponema Pallidum(TP)抗原試験がある。前者は通常、STS(Serologic Test for Syphilis)と呼ばれ、ガラス板法、凝集法、RPR(Rapid Plasma Reagin)(RPRカード法)などがあり、抗体がなければ陰性、抗体があれば陽性と判定される。後者はTPに対する抗体検査で、TPHA(Treponema Pallidum Hemagglutination Test)テストやFTA-ABSテストがある。

梅毒はコロンブスが新大陸の発見と共にヨーロッパに持ち帰り、その後爆発的に(一説ではその後20年という短期間で)全世界に広がったと言われている。
なお、「梅毒」という病名は、症状である赤い丘疹が楊梅(ヤマモモ)の果実に似ているため楊梅瘡(ようばいそう)と呼ばれたことに由来するといわれる。

バリックス

静脈瘤のこと。主に下肢静脈瘤を指す。
静脈瘤を意味する英語、Varixに由来。

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バンコマイシン耐性腸球菌

薬剤性耐性菌の一種で、抗生物質のバンコマイシンに対し抵抗を示す。日本では、1998年2月鶏肉から検出され、その歳の7月に初めての死者が出た。腸球菌は自然界に広く一般的に存在する菌であり、人間の腸内にも多くすみついている。
通常の健康体ではこの腸球菌が感染症を引き起こす原因となることはなく、人間や動物の腸内に存在する常在菌の一種である。しかし、心内膜炎や敗血症、尿路感染症などの感染症を、免疫力が低下している状況において発症する可能性がある。こうした感染症にかかった患者の治療には、抗生物質を投与することが有効な治療手段となる。

パジェット病

Paget Disease。
ページェット病ともいう。
皮下の腺や皮膚内部に発生する皮膚がんのこと。
パジェット病は主に乳首に発生する(乳房パジェット病)。これは、乳管に発生した非浸潤がんが、開口している乳頭に達して湿疹のような病変を生じさせるものである。乳首に発症したパジェット病は乳がんとして扱い、その治療も乳がんと同様に行う。
パジェット病を発症すると患部は赤くジクジクして皮膚の炎症を起こしているように見え、かゆみや痛みを伴う。
また、乳首以外に外陰,肛門などに発生することもあり、これらは乳房に発生するがんと区別して乳房外パジェット病といわれる。

パンペリ

汎発性腹膜炎。
腹部全体に炎症が広まって緊急手術が必要となる状態のこと。腹膜炎のひとつ。
パンペリという呼び方は汎発性腹膜炎を意味するPanperitonitisに由来する。
「パンペリになる」などと使うほか、そのような状態にある患者を指す場合もある。
大腸や小腸といった消化管で穿孔(せんこう、穴があくなど損傷すること)が起きると、高い確率でパンペリとなる。
症状を表す略語にはほかに、ベジるやアテレク、アネミなどがある。

非浸潤がん

ひしんじゅんがん。
がん細胞が、発生した組織内にとどまっているものを指す。他の組織に広がっていないため、理論的には、がんの発生部位を切除することで完治する。
一方、がん細胞が発生組織外にまで広がっているものを浸潤がんという。

肥大型心筋症

HCM(Hypertrophic Cardiomyopathy)。
心臓の壁が厚くなりすぎるため、心室へ流れ込む血液量が減少し、全身に十分な量の血液を送り出せなくなる病気。原因不明の心筋疾患のひとつである。
左心室壁が著しく肥大すると、心腔が小さくなったり、硬く広がりにくくなったりするため、心臓の機能不全を引き起こす。
不整脈や心不全、脳梗塞を合併するおそれのある病気である。
肥大の程度や部位によって、閉塞性肥大型心筋症や心室中部閉塞性肥大型心筋症などに細分化されることもある。

頻脈

ひんみゃく。
不整脈の一つで、洞性頻脈とも呼ばれる。心拍数が毎分100回を超えると頻脈とされる(通常は毎分50〜70回程度)。
心臓は自律神経(交感神経と副交感神経)によって支配されており、何らかの要因で交感神経が優位になると心拍数が増える。頻脈の原因には、心因性もの(過労、ストレス、更年期障害、不眠など)や運動によるもの、常用している薬(血圧降下剤など)によるものがある。健康な人でも、毎分100〜150回程度の頻脈であれば緊張時に起きることがあり、心臓などの病気が原因のことはまれである。
頻脈は、このほか、感染、貧血、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、心臓疾患、呼吸器疾患などによって引き起こされる。

頻脈性不整脈

ひんみゃくせいふせいみゃく。
頻脈。不整脈のうち、心拍数が毎分100回を超える状態のこと。
頻脈性不整脈の種類としては、洞性頻脈や心室性頻拍、心房細動、心房粗動、心室細動などが挙げられる。

びまん性

病変がはっきりと限定できずに、全身や臓器全体など広範囲に広がっている状態のこと。漢字では「弥漫」・「瀰漫」と記す。
びまん性汎細気管支炎やびまん性外耳道炎、びまん性糸球体腎炎などという。

びまん性軸索損傷

頭部外傷直後から意識を失うことを特徴とする意識障害のこと。主に交通事故で多発し、外傷直後の初期意識障害が短い場合、脳震盪とも呼ばれる。受傷直後から意識がなくなり、重症例では脳の深部にある生命維持中枢(脳幹)が直接侵され、呼吸が損なわれ急死する可能性もある。
以前は頭部外傷による意識障害が続く時間で、6時間以内を脳震盪、それ以上をびまん性軸索損傷と区別していた。しかし、脳震盪とびまん性軸索損傷の病理所見や脳画像所見に共通点があることが判明し、脳震盪は最軽症型のびまん性軸索損傷であると認識されるようになった。

びまん性汎細気管支炎

DPB(Diffuse Panbronchiolitis)。
細気管支の原因不明の炎症により、吸い込んだ空気を肺胞に送るための細気管支が狭くなったり、詰まったりする病態が両肺全体に広がっている状態。
慢性の咳嗽、痰、息切れを呈し、慢性副鼻腔炎を合併する呼吸器疾患である。

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病識

びょうしき。
(患者本人が)病的な状態にあると認めること。通常は「病識がある」とは使わず、「病識がない」場合に使われる。「病識がない」とは、病的状態であるにもかかわらず、病的状態であると認めない状態である。
病識のない疾病としては、統合失調症が挙げられる。

びらん

糜爛。
皮膚や粘膜の表面にできた、ただれのこと。炎症や引っかき傷などによって皮膚や粘膜の表面が損傷を受け、下の層が露出した状態である。
びらんを生じた部位により、子宮膣部びらんや胃びらん、乳頭びらんなどがある(乳頭びらんの湿疹が長く続く場合は、パジェット病が疑われる)。

不安定狭心症

発作の回数や強さが一定せず、症状が悪化したり、以前は問題なかった軽労作または安静時に発作が起こったりする狭心症。
安定狭心症に比べて冠動脈の病変が著しく、心筋梗塞に移行する恐れが高い状態である。

不完全右脚ブロック

ふかんぜんうきゃくぶろっく。
心臓を収縮させるための電気伝導(興奮伝達)のうち、右心室の一部で障害があって少し遅れる状態。
右脚ブロックのひとつで、心電図QRSの幅が0.10秒以上0.12秒未満のものを言う。0.12秒以上のものは完全右脚ブロックと言う。

副鼻腔炎

ふくびくうえん。
蓄膿症(ちくのうしょう)ともいう。
副鼻腔に炎症が起こる病気で、鼻汁(青っぱな)や鼻づまり、頭痛や頭の重みなどの症状がある。
副鼻腔炎は、風邪などをきっかけに副鼻腔に炎症が起こり、発生した膿が鼻腔から自然排泄されずに溜まることにより慢性化する。発症当初の副鼻腔炎を急性副鼻腔炎といい、症状が8週以上続く場合を慢性副鼻腔炎という。慢性副鼻腔炎はウィルス感染や重度のアレルギー、遺伝が原因とされる。
抗生物質による細菌除去やタンパク分解酵素による膿の排泄が主な治療法である。

腹膜炎

腹膜が炎症を起こした状態。突発的に発症し、急速に症状が悪化する急性腹膜炎と、慢性的に症状が進行する慢性腹膜炎に分類される。

急性腹膜炎には、腹腔内に炎症が広がる汎発性腹膜炎(パンペリ)と、一部で炎症が起きる限局性腹膜炎がある。症状としては、汎発性腹膜炎は、腹部の激痛、喉の渇き、吐き気、嘔吐、発熱、腸閉塞症状が、限局性腹膜炎は炎症部位の痛み、発熱、悪寒などがある。特に汎発性腹膜炎はショック状態や死に至る可能性のある、危険な状態である。

一方の慢性腹膜炎は、結核性腹膜炎や癒着性腹膜炎などに分類され、発熱、腹痛、微熱や吐き気といった症状が見られる。

不整脈

ふせいみゃく。
心拍数が異常に多い(頻脈)、または少ない(徐脈)ことにより、あるいは電気刺激が異常な伝導経路をとることにより、心拍リズム(脈拍)が不規則になった状態。
不整脈は高齢者に多いが、どの年齢層にも不整脈をもっている人は普遍的に存在している。
不整脈の原因には、虚血性心疾患、先天性心疾患、心不全などが挙げられる。

不明熱

Petersdorfによる古典的な不明熱は以下の3点から定義された。
(1)発熱が3週間を超えて続く
(2)38.3℃(101°F)以上の発熱が何度か認められる
(3)外来で3回、入院で3日間の適切な検査を行っても原因が判明しないもの 現在は不明熱の定義が細分化され、
●Petersdorfの定義にもとづく古典的不明熱
●好中球減少状態での不明熱
●院内発症の不明熱
●HIV 感染患者にみられる不明熱
となっている。
古典的不明熱の原因は、感染症、悪性腫瘍(がん)、非感染性炎症性疾患(膠原病など)である場合が多いが、原因が特定できないケースも3割程度ある。また、疾患以外の原因として、Drug Feverとよばれる薬の副作用で発熱をきたすことも稀に起こる。

ヘマトーマ

Hematoma。
血腫(血の固まり)を意味する臨床現場での略語。
分娩後、会陰や膣壁の裂傷の縫合が不完全な場合にできることが多い。

ベジる

植物状態を意味する医療用語。
医療現場で用いられる用語には、他にステる(すてる)、ゼプ(ぜぷ)などがある。

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ページェット病

Paget Disease。
パジェット病ともいう。主に乳首に発生する乳房パジェット病(乳がんとして扱われる)と、外陰,肛門などに発生する乳房外パジェット病(皮膚がんとして扱われる)に分けられる。
詳細はパジェット病を参照。

発作性上室性頻拍症

突発的に心拍数が1分間に150〜200に達するほど速くなり、しばらく続いたあとに突然止まる頻拍のことを指す。発作性上室頻拍症単体で死に至ることはない。
心臓の心室の上にある心房や房室接合部を起源として起こり、突然始まり、突然終わる発作性を持つ。その副次的症状として動悸、めまいを起こす。
頻拍が長時間続くと、心機能が低下してうっ血性心不全の状態になることもある。

ホルネル症候群

眼とその周辺の交感神経がマヒする病気。大半は片方の眼だけが罹患する。
瞳孔の収縮・眼球のくぼみ・顔面の無発汗が主な症状。中枢神経、節前神経、節後神経いずれにも起因しうるが、原発性のこともあれば、他の疾患に併発する場合もある。

房室ブロック

心房から心室への電気信号が伝わらない、もしくは遅延する(ブロックされる)状態のことで、徐脈の原因となる。AVB(Atrio-Ventricular Block)、AVブロックなどとも呼ばれる。
房室ブロックは、軽症から重症へ大きく3段階に分類され、軽症から順に第1度房室ブロック、第2度房室ブロック、第3度房室ブロックとされる。重度の房室ブロックに対しては、心臓ペースメーカーの装着によって心筋に電気刺激を与えることで脈を調整し、正常な脈拍数を保つなどの処置がとられる。

マンマ

乳がんのこと。Mammary Cancerより。
産婦人科に関する他の業界用語にはカイザー、アウスなどがある。

メタボリック症候群

メタボリックシンドローム(Metabolic Syndrome)、メタボリック症候群、内臓脂肪症候群ともいう。
詳しくはメタボリックシンドローム(Metabolic Syndrome)を参照。

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドローム(Metabolic Syndrome)、メタボリック症候群、内臓脂肪症候群ともいう。
内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖・高血圧・高脂血・高コレステロールのうち2つ以上を合併した状態のこと。 こういった症状は単独でも健康リスクを高める要因だが、それが重なると、糖尿病・動脈硬化・心筋梗塞といった疾患の発生頻度が高まる。
そのためリスク重積状態は予防や治療の対象と考えられている。
メタボリックシンドロームの診断基準を定める動きもあったが、その数値は世界各地ばらばらで、科学的に疑問の声が上がっている。

メンケルベルグ型硬化

動脈硬化の一種。中膜硬化ともいう。
動脈壁にカルシウムが沈着して起こる動脈硬化のこと。
詳しくは動脈硬化を参照。

網膜剥離

網膜から神経層がはがれることにより、視力低下や視野の欠損をまねく病気。
強度の近視や糖尿病、頭部打撲などの外傷によって引き起こされる。

門脈圧亢進症

もんみゃくあつこうしんしょう。
門脈系統の血管内で、血圧(門脈圧)が異常に高くなる状態。またそれによる食道静脈瘤、脾臓の腫れ、腹水といった二次的症状も含む概念である。
門脈圧亢進の最も一般的な原因は肝硬変による血流抵抗の増大で、アルコールの過剰摂取がその一番の原因とされている。

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モーニングワーク

グリーフケアともいう。
家族や友人などを失った人が、精神的・社会的に立ち直っていくための「悲嘆のプロセス」のこと。
詳細はグリーフケアを参照のこと。
モーニング(Mourning)は、朝ではなく、モーニングスーツ(礼装)のほうで、この場合は「服喪・哀悼・喪服」といった意味である。

ルー・ゲーリッグ病

Lou Gehrig’s Disease。
筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)ともいう。
詳しくは筋萎縮性側索硬化症を参照。
アメリカ大リーグ選手、ルー・ゲーリッグ(1903〜1941)がかかったことからこのように呼ばれる。

労作性狭心症

身体を動かしたり、興奮・ストレスを感じたりすると症状が出る狭心症。運動や興奮によって心臓が多くの血液を必要としても、冠動脈の狭窄のために心筋が十分な血液を得られず、胸痛が引き起こされる症状。

オストメイト

人工肛門、人工膀胱を設置している人のこと。単に人工肛門保有者・人工膀胱保有者とも呼ぶ。
日本におけるオストメイトは15万人を超えるとも言われており、大腸がんや膀胱がんの発症との関係で高齢者のオストメイト比率が高い。

オストメイトにとって自宅外でのトイレ利用は大きな問題である。そのため、ストーマ用具の清浄や腹部の清浄、清拭に使う「汚物流し台」があるなど、オストメイトが使用できる設備が整ったトイレ(オストメイト対応トイレ)の普及が急がれている。