業界用語辞典 - 組織制度

看護に関することをいろいろと調べたくても、使われている言葉の意味がよくわからなくて十分な理解ができていないのではないでしょうか?看護に関する言葉の意味をわかりやすく解説し、難しい専門用語が解決できる業界用語辞典のページです。

CRA

CRAとは、Clinical Research Associateの略称。臨床開発モニター、あるいはモニターとも呼ばれる。
CRAは、製薬企業やCROに所属し、治験(臨床試験)を行う医療機関で
(1)GCP(医薬品の臨床試験の実施の基準)等の規則に従って治験が実施されているかどうかの監視と、
(2)治験が正しく進行しているかどうかを確認(モニター)するモニタリング業務(Clinical Research Associate)
を行う。
具体的な業務は以下のとおり。
■治験開始前:
実施医療機関の適格性評価や治験責任医師の選択、スケジュール・契約の確認、治験実施スタッフへの説明会の実施、治験関連支給品や諸種記録書式の準備等を行う。
■治験開始後:
モニタリング業務。モニタリング業務は、CRAの仕事のなかで最も重要なものである。GCP(医薬品の臨床試験の実施の基準)に沿った治験が行われているか、また治験実施計画書を遵守して治験が行われているかどうかの確認が主な業務。
■治験終了後:
治験責任医師のコメント回収や未使用の治験関連支給品の回収、報告書の作成、治験を終了するにあたっての確認作業などを行う。

CRAの業務は、医師や薬剤師といった治験実施医療機関のスタッフとの折衝が多くなるため、コミュニケーション能力が欠かせない。また、その他の医療従事者と同様、高度な知識と倫理性を求められるため、CRAへの転職にあたっては看護師や薬剤師、臨床検査技師の資格保有者は有利であると言われている。

CRO

受託臨床試験機関。Contract Research Organizationの略。
CROとは、製薬会社から治験業務を受託する企業である。
製薬企業から治験を委託されたCROは、治験実施施設にCRAを派遣し、治験のモニタリング業務を行う。CROは、モニタリング業務以外にも、質の高い臨床試験を実施できるよう、試験実施計画書(プロトコル)を作成したり、データマネジメント(DM)・統計解析を行ったりする。

SMO

治験施設支援機関。Site Management Organizationの略。
治験を実施する施設(医療機関)と契約し、医療機関における煩雑な治験業務を支援する組織のこと。
医療機関にはSMOからCRCが派遣され、CRCは治験責任医師のもとで治験業務に協力する。

アソシエートナース

プリセプターナースをサポートする役目を持つ看護師のこと。
目的は主に以下の2つ。
(1)プリセプターがプリセプティーの支援に対して負担を感じないよう、一定期間、プリセプターの支援を行う
(2)プリセプターと共に、プリセプティーの到達目標を設定し、達成できるように支援する

アドボカシー

「患者の代弁者」、「患者の弁護」、「患者相談窓口」などの意味で使われる言葉。
主張、弁護を意味する英語、Advocacyに由来。

一部の病院では患者アドボカシー室を設置して、来室した患者の意見を聞いたり、満足度調査を行って意見を集約したりしたうえで、患者の声を関係部署に伝え、院内環境の改善につなげている。

一次救急

初期救急ともいう。
入院の必要がなく、外来での対処が可能な患者に施す治療のこと。またその処置を行う医療機関。
風邪や軽いけがといった比較的軽症な患者が対象となる。
救急医療体制の一環として、休日急患診療所や休日夜間急患センター、在宅当番医が担当する。

医療クラーク

医師事務作業補助者。コメディカル職のひとつ。
メディカルクラークともいう。
医師の仕事を軽減するため、医師に代わって診断書作成等の事務作業を補助するスタッフのこと。外来患者のカルテ整理、検査の依頼なども行う。

インシデント

実際には事故につながらなかったが、可能性として、重大な事故になっていたかもしれない事態のことをさす。
医療現場では、ヒヤリ・ハットと呼ばれている。このインシデント事例を集計し、対策をたてることで、医療ミスや医療事故の発生の防止、その他のインシデントの発見に役立てられる。

インフェクションコントロール

感染症が病院で発生するのを予防し、院内で感染症が発生した際には、感染が拡大しないよう制御すること。
日本では、MRSAの拡大に伴い、1980年代からその概念が広まった。アメリカ・ヨーロッパのやり方に則った徹底院内感染マニュアルの作成やなどさまざまな取り組みがなされている。
院内感染の予防を始めとした、発生時の対応、サーベイランス、薬剤耐性菌の監視等を行う、アウトブレイク時の対応や院内感染時のサーベイランス、感染予防策の指導、薬剤耐性菌の監視などを行うインフェクションコントロールドクター(ICD)やインフェクションコントロールナース(ICN)の認定制度が関係学会より開始され、その他の医療従事者と共に感染症対策を行うインフェクション・コントロールチームが多くの病院内で結成されている。

ウォックナース

WOCナース。皮膚・排泄ケア領域の認定看護師。
創傷(Wound)、ストーマ(Ostomy)、失禁(Continence)のケアを専門に行うため、頭文字をとってWOCナースと呼ばれる。
詳細はWOCナースを参照。

オンコール

On Call。
病院などの医療施設で採用されている勤務体系のひとつで、急患時の対応役として待機すること。当直が病院内に拘束されるのに対し、オンコールの場合は自宅などの病院外にいて良い。ただ、いつでも出勤要請に応えられるよう、連絡の取れる状態でいる必要がある。

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看護協会

【日本看護協会】
保健師・助産師・看護師・准看護師が自主的に加入し運営する、日本最大の看護職員の団体。
47都道府県の看護協会と連携しながら、看護職の労働環境整備(給与水準や労働時間の改善)と、それによる質の高い看護の提供を目指した活動を行っている。
設立は1946年で、現在60万人以上の保健師・助産師・看護師が加盟している。
また、日本看護協会の政治団体として日本看護連盟がある。

【各都道府県の看護協会】
保健師、助産師、看護師、准看護師の免許を持っている看護職員によって構成される看護職能団体。47都道府県ごとに組織され、全国組織である日本看護協会と連携しながら、看護職員の資質向上や看護の充実・発展を目指している。
各都道府県の看護協会は、各種研修事業や広報啓蒙活動のほか、看護職員の就業促進を目指したナースセンター事業も行っている。ナースバンク事業は、このナースセンター事業が行っている施策の1つである。

感染リンクナース

患者と医療従事者を院内感染から守るために配置される、感染対策担当看護師のこと。リンクナースのひとつ。
感染制御センター(ICT(Infection Control Team))や感染管理看護師の指導のもと病棟などに配置され、以下のような仕事を行う。

■感染管理看護師のサポート
■病棟での情報収集、上部組織との情報交換
■病棟での教育・啓蒙・改善活動を行う
■サーベイランスへの参加

カーデックス

看護現場(主に病棟)で使われる記録類のひとつ。
患者に関する情報や治療内容、実際に行われた処置、看護計画などを、患者ごとに1枚の紙にまとめ、病棟の患者全員分の用紙を専用ファイルにはさんだもの。申し送りと並ぶ、看護師間の情報伝達手段とされる。
カーデックスは、本来、ファイルの1つの商品名でしかなかったが、看護の現場でこのような特有の使い方をしたのが定着し、現在では記録方法の1つとして浸透したといわれている。
カーデックスは、取り外しのできるカード(用紙)からできており、カードの端が一枚ごとに少しずつずれて見出しのようになっているので、そこに患者名などが書きこまれ、個々の患者のカードを開いて見る際に便利になっている。
ただ、カーデックスは紙のカードに手書きで記入するため、転記ミス、誤情報、記載漏れの恐れがあり、電子カルテなどによる情報共有に切り替えていくべきとの意見もある。

外傷指数

外傷患者の重症度を評価するのための指数。
外傷部位や意識のレベル、血圧や脈拍等の重篤度を点数化したもので、搬送先医療機関の選定やヘリコプター要請の判断等に利用される。

救急医療

急病や外傷、中毒など、身体に急激な疾患・損傷を受けた人々を診断し、治療を行うこと。
現在の救急医療体制は患者の疾患・損傷の程度によって、一次救急(初期救急)、二次救急、三次救急に分かれている。

救急救命士

医師の指示のもとで救急救命処置を行う医療従事者。コメディカルのひとつ。
EMT(Emergency Medical Technician)。
傷病者を病院へ搬送する途上で救急救命処置を施すことにより、救命率を高めることを目的として設置されている国家資格である。
以前は救急救命士による医療行為は禁止されていたが、1991年4月の救急救命士法制定により、病院への搬送途上に限って傷病者に対する救急救命処置が認められるようになった。
現在では、全国の自治体の救急隊の救急車に、常時最低1名乗車させることが目標とされている。

クリティカルケア

重篤な疾患や外傷、身体的侵襲の大きい手術などによって重要生体機能(呼吸・循環など)に重大な障害がもたらされ、生命の危機に陥っている患者に対し、集中的な観察とケアを施す看護のこと。
一般にICU(Intensive Care Unit)で行われることが多い。

クリニカルインディゲーター

医療の質を評価するために設定されるデータ。これを分析し、改善を行うことによって医療サービスの質的向上を図る。
インディゲーター(Indicator)とは、数を表示する機器、指標のことである。

データとして集められる項目は施設ごとに独自に設定されることもあり、「病院全体に関連する指標」や「予防医療に関連する指標」、「医療安全に関連する指標」などに分類され、病床利用率、平均在院日数、退院サマリーの完成率などのデータが取られている。

クリニカルラダー

看護師としての専門知識や技術を段階的に身につけられるよう計画された、キャリア開発プランのこと。
看護実践能力開発プログラムなどとも呼ばれ、病院ごとに設けられる。
ラダーとは梯子(はしご)のことである。

クリニカルラダーでは、例えば、看護師として求められる技術やスキルを年次によって5段階に分けたうえで、各ステップで到達すべき具体的目標が設定される(新人であれば「指導を受けながら、基礎看護技術が安全・確実に実践できる」、2年目であれば「日常の看護を根拠に基づいて判断でき、安全安楽に実践できる」、など)。
クリニカルラダーを設定することで、看護師の実践能力を高めたり、ナースとしての将来像を明確化させたりするほか、人事評価の判断にも役立っている。

ケアミックス

同じ病院施設内で、老人病棟や療養型病床群のような慢性期患者を収容する病棟と、急性期の患者を収容する病棟とを併せ持つ施設形態。
1つの病院内で、幅広い治療領域を担当することが出来るようになるため、最近ではケアミックス形態を積極的に取り入れている病院が増えている。

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ケースワーカー

生活困難者・高齢者・心身障害者などから、生活上の相談(治療・医療費・保険・退院後の生活などについての質問)を受け、援助する専門職。
「社会福祉主事」という資格を持ち、福祉事務所に勤務する(福祉事務所に勤務するには地方公務員として採用される必要がある)。
ケースワーカーは、病院や福祉事務所だけでなく、児童相談所や老人福祉施設、養護施設などでも必要とされる職業である。コメディカルの一種。

コメディカル

医師の指示のもとでに業務を行う医療従事者のこと。コメディカルスタッフとも呼ばれる。
該当するスタッフには以下のようなものがある。
・看護師(「医師・看護師以外の医療従事者をコメディカルと呼ぶ」との見方もある)
・薬剤師
・臨床検査技師
・理学療法士
・作業療法士
・栄養士
・ケースワーカー
・看護助手
・救急救命士
など

作業療法士

OT(Occupational Therapist)。
医師の指示のもと、心身に障害のある者に対し、手芸、工作・園芸その他の作業を行わせ、社会生活に適応できる能力、応用的動作能力の回復を図る訓練を行う医療従事者のこと。国家資格。
作業療法士は、病院だけでなく、リハビリテーションセンターや療養施設でも必要とされる専門職である。コメディカルのひとつ。

三次救急

二次救急医療機関では対応できない重篤な患者(心筋梗塞、脳卒中、大やけどなど)に対し、複数診療科にわたる高度な医療を提供する医療機関。またそこで施される医療のこと。
救急医療体制の一環として、救命救急センターや総合周産期母子医療センターなどが対応にあたる。

シェーマ(しぇーま)

医者がカルテを記すときに利用する、身体部位の絵図のこと。
診断・検査の内容を、記事だけでなく画像とともに残すために用いられる。
紙のカルテに記入する身体の絵や、スタンプ状のもの、電子カルテ用に作成・データ化された図などを指す。

集中治療室

ICU(Intensive Care Unit)。
重篤な患者に対し、医師や看護師が24時間体制で高度な医療・看護を行うことを目的とした、病院内の施設のこと。急性心不全や脳卒中、致死性不整脈といった急性症状を起こした患者のほか、高度な術後管理が必要な患者などが収容される。 集中治療室のなかでも下記のような施設基準を満たし、厚生労働省の認定を受けたものは特定集中治療室と呼ばれる。
(1)ICU専従医が常時ICU内に勤務している
(2)看護師が患者2人に1人の割合で常時勤務している
(3)専用の特定集中治療室を有しており、特定集中治療室の広さは1床当たり15平方メートル以上である
   ただし新生児用の特定集中治療室の場合は、1床当たり9平方メートル以上である
(4)「1.救急蘇生装置(気管内挿管セット、人工呼吸装置等)、2.除細動器、3.ペースメーカー、4.心電計、5.ポータブルエックス線撮影装置、6.呼吸循環監視装置」を特定集中室内に常時備えている
(5)自家発電装置を有している病院で、当該病院において電解質定量検査、血液ガス分析を含む必要な検査が常時実施できる
(6)特定集中治療室内はバイオクリーンルームである
(7)治療室勤務の医師及び看護師は、当該治療室に勤務している時間帯は、治療室以外での当直勤務を併せて行わない
2005年10月1日現在、全国にある特定集中治療室は670、病床数は5453である。
近年ではICUの細分化・専門化が進んでおり、新生児集中治療室(NICU)や脳卒中集中治療室(SCU)、冠疾患集中治療室 (CCU )といった、特定疾患の治療に特化した施設も設けられている。
また、集中治療室と一般病棟との間にハイケアユニット(HCU)を置き、集中治療室に準じた密度の高い医療を提供している病院もある。

初期救急

一次救急ともいう。
詳しくは一次救急を参照。

褥瘡リンクナース

病棟において褥瘡の発生を未然に防いだり、褥瘡の早期治癒に向けて活動する、褥瘡対策担当看護師のこと。リンクナースのひとつ。
病院内の褥瘡対策委員会に所属し、現場の看護師との情報交換を行ったり、認定看護師の指導のもと適切な褥瘡対策を行ったりする。

スタンダードプリコーション

病院や介護施設などで、患者と医療従事者を感染事故の危険から守るために採られる、標準感染予防策のこと。
患者の汗を除く分泌物(血液・体液)、排泄物、傷のある皮膚、粘膜などを感染の危険を有するものとみなす。スタンダードプリコーションは、感染症の有無を問わず、全ての患者を対象に、またどのような場合においても実施する基本的な感染症対策である。
具体的な予防策としては、手洗い、手袋やガウンの正しい着用、器具や器材の正しい取り扱い、患者の隔離などが挙げられる。

世界保健機関

WHO(World Health Organization)
ジュネーブに本部を置く、「すべての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的とした国際連合の専門機関。
2009年9月現在、WHOの加盟国は153(独立の関税地域を含む)。
WHO憲章における健康の定義は、「完全な肉体的、精神的及び社会福祉の状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない」としており、以下の4つを主任務としている。
(1)国際保健事業の指導的調整機関としての役割を果たすこと
(2)要請に応じ保健事業の強化について各国政府を支援すること
(3)伝染病、風土病及び他の疾病の撲滅事業を奨励し、推進すること
(4)国際保健に関して条約、協定及び規則を提案し、勧告を行うこと、並びにこれらの条約、協定、規則及び勧告が本機関に与え、かつ、本機関の目的に合致する業務を遂行すること

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セカンドオピニオン

患者が自身の主治医以外の別の医師に、診断や治療法が適切かの「第2の意見」を求めること。セカンドオピニオンが役立つのは、一人の医師による診断と説明に納得や信頼ができないときや、主治医の示す治療法の決定に迷い、別の専門家の意見を参考にしたいときである。
米国で1980年代から広まり始め、日本では90年代後半から対応する病院、クリニックが出現した。「セカンドオピニオン外来」という有料の窓口を設ける病院も増加傾向にある。厚労省は、最初の医師がカルテや検査内容の写しを患者の求めに応じて提供する場合、5000円の保険支払いを2006年に認め、その結果、カルテ開示とも関連し、医療情報の患者への公開に拍車がかかった。

専門看護師

CNS(Certified Nurse Specialist)。
解決困難な健康問題を持つ個人や家族に対して、より質の高い看護ケアを提供するための、深い知識と技術を持った看護師のこと。
特定の専門分野ごとに認定される資格で、日本看護協会が行う専門看護師認定試験の合格者に与えられる。

■専門分野は以下の10領域
(1)がん看護 (2)精神看護 (3)地域看護 (4)老人看護 (5)小児看護 (6)母性看護 (7)慢性疾患看護 (8)急性・重症患者看護 (9)感染症看護 (10)家族支援

■各分野で専門看護師が期待される役割は以下のとおり
【1】実践:個人、家族及び集団に対して卓越した看護を実践する。
【2】相談:看護職を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う。
【3】調整:必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う。
【4】倫理調整:個人、家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決をはかる。
【5】教育:看護職に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす。
【6】研究:専門知識及び技術の向上並びに開発をはかるために実践の場における研究活動を行う。
認定看護師がより限られた特定分野での実践を重視した資格であるのに対し、専門看護師は幅広い分野における教育や研究に携わる資格である。現場を見渡した高い視点から「看護学」の向上を目指すという意味で、専門看護師のほうが認定看護師よりも高い地位にあるといえる。
専門看護師は、例えば、診療科目にかかわらず院内や患者を見回ったり、一般看護師への指導を行ったりする。

以上のように高度な知識と技術が求められる専門看護師になるためには多くのプロセスが必要とされている。

■専門看護師になるには
そもそも認定試験を受けるには、保健師、助産師、看護師いずれかの免許を持ち、以下の2つの条件を満たしている必要がある。
(1)看護系大学院修士課程修了者で、日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位(計26単位)を取得していること
(2)実務経験が通算5年以上
   そのうち3年間以上は専門看護分野の実務経験
   このうちの6ヶ月は修士課程修了後の実務経験であること。

その上で書類審査・筆記試験(120分、論述式問題)に合格してはじめて、専門看護師として認定されるのである。
なお、この資格は、専門看護師のレベル保持のために5年ごとの更新制を採っていて、更新の際は、過去5年間の看護実績や研究成果、研修業績の審査を受けなければならない。

2009年9月1日現在、全国の専門看護師の登録者数は302人である。

治験

ちけん。
新薬を開発する場合、厚生労働省から「薬」としての承認を受けるために、ヒトを対象として薬の有効性・安全性について調べる試験を治験と呼ぶ。治験は、薬事法に基づいて厚生省が定めた「医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP)」のルールに従って実施される。
治験には以下3つの段階(相(そう)、フェーズ)があり、各段階で安全性・有効性を確認しながら開発が進められる。
■第1相(フェーズ1)
少人数の健康な成人が対象。「薬の候補物質」の投与量をごく少量から少しずつ増やしていき、安全性について調べる。
■第2相(フェーズ2)
「薬の候補物質」が効果を示すと予想される比較的少人数の患者を対象に実施。有効性、安全性、使い方(投与量・投与方法など)を確認する。
■第3相(フェーズ3)
多数の患者を対象に行う。有効性、安全性、使い方を改めて確認する段階。

治験に関与する組織や職種には、製薬企業や治験を実施する医療施設のほか、SMO、CRC、CRO、CRAなどが挙げられる。
治験が薬の承認前に行う臨床試験であるのに対し、すでに承認されている薬の安全性や適切な使用法を改めて検討する試験のことを製造販売後臨床試験(市販後臨床試験)と呼ぶ。

特定看護師

厚生労働省が創設を検討している資格の1つ。特定看護師は仮称である(2010年6月2日現在)。

特定看護師は従来の看護師よりも幅広い業務範囲を持ち、厚生労働省案では「検査」「処置」「患者の状態に応じた薬剤の選択・使用」の3分野における医療行為の実施が検討されている。具体的な行為例は以下のようなものである。
・重症度や治療効果判定のための検査
・超音波検査。エックス線、CT(コンピューター断層撮影法)、MRI(磁気共鳴画像)の読影の補助
・人工呼吸器を着ける患者の気管挿管
・傷口の縫合
・在宅療養や外来での薬の変更や中止
・床ずれの処置

特定看護師制度導入を検討する背景は大きく分けて以下の2つ。
(1)経験豊富な看護師を活用することによる医師不足への対応
(2)特定看護師をキーパーソンとしたチーム医療の推進による医療の質の向上

特定看護師になる要件としては、「一定期間以上の実務経験がある看護師で、新設する第三者機関が認めた大学院修士課程を修了すること」などが挙げられている(現在検討中)。

欧米や韓国では医師の指示なしに診断や治療を行う診療看護師が導入されており、ナースプラクティショナー(NP(Nurse Practitioner))などと呼ばれている。日本でも2008年、大分県立看護科大学が全国に先駆けてNPプログラムを導入し診療看護師の養成教育を進めているほか、複数の大学院で養成コースが設置されている。

一方、日本医師会はこのような動きに対し、「医療の安全と質の低下」を理由に反対の立場を表明している。

トリアージ

災害医療の現場において、限られた医療資源(医療スタッフ、医薬品等)を最大限活用するため、負傷者を傷病の緊急性・重傷度に応じて分類し、治療の優先順位を決定すること。
「選別」を意味するフランス語「triage」が語源である。

災害医療とは、地震や洪水、火災といった自然災害だけでなく、テロや無差別殺人のような故意に引き起こされた事件、爆発や放射線漏れといった重大な事故など、通常の診療体制では対応できないような状況下で行われる医療のことである。
このような現場では、救急活動を行う側の医療能力を上回る多数の負傷者が発生する。そのため、限られた人的・物的資源を有効に振り分ける必要が生じるのである。

判定基準としては以下のものがあり、これらを総合して判断する。
・総傷病者数(災害の規模を反映)
・医療機関の許容量(必要とされる処置・治療が出来る近隣の医療機関の数と規模)
・搬送能力(救急車・救急ヘリコプター等の稼動数)
・重症度・予後(救命可能な重症者が何人くらいいるか)
・現場での応急処置(止血処置、気道確保、静脈ライン確保など)
・治療に要する時間(傷害の内容あるいは重症度により異なる)

判定結果はトリアージタッグに示された色で判別される。
・黒:死亡、もしくは救命に現況以上の人員・救命資材を必要とするため救命不可能なもの
・赤:生命に関わる重篤な状態で、一刻も早い処置が必要だが、救命の可能性があるもの
・黄:今すぐに生命に関わる重篤な状態ではないが、早期に処置が必要なもの
・緑:救急での搬送の必要がない軽症なもの

搬送や救命処置の優先順位は「赤→黄→緑→黒」となる。
トリアージに要する時間は1人あたり数十秒から数分程度、また、繰り返し追跡判定することも必要であるとされる。

トリアージは、2008年の秋葉原通り魔事件、2005年のJR福知山線脱線事故、2004年の美浜原子力発電所での重大労災事故において実施された。
一方でこれらの現場では、命の選別を行うことへの心理的負担や、同じ判定の負傷者がいた場合の治療の優先順位付けが困難、といった様々な課題も浮かび上がってきた。

トリアージの考え方を踏まえ、病院に来る患者の重症度を判断し、診察の優先順を決める看護師をトリアージナースという。

トリアージナース

患者の重症度を判断し、診察の優先順を決める看護師のこと。
トリアージとは、緊急の処置を要する場合、傷病者のけがの程度に応じて病院搬送や治療の順番を決めることである。救命率の向上を目的に、災害医療の現場で用いられる。
日本では、トリアージナースは病院ごとに設置・導入する任意的な役職で、必要とされる資格もさまざまである。ただ、患者の容体を瞬時に判断する能力が求められるため、豊富な経験や資格を持つ看護師が必要とされる。

ナースセンター

保健・医療・福祉サービスを提供する看護師、保健師、助産師を確保するため、これら看護職員の就業促進と、看護に関する知識向上を目指して実施・運営されている団体。
ナースセンターは全ての都道府県に置かれており、運営は各都道府県の看護協会が行っている。

ナースセンターが行っている事業は以下の3つ。
【1】ナースバンク事業
看護師の就職を支援する、職業紹介サービスのこと。仕事を探している看護師と看護師を募集している病院・施設をつなぐサービスで、看護職員であれば無料で受けることができる。
また就職にあたり、ブランク期間が長いなどの理由から再就職に不安を持つ看護師のために、研修会や就職相談会なども行っている。

【2】訪問看護支援事業
訪問看護サービスの普及とともに、訪問看護師は今後ますます必要とされていくと考えられる。ナースセンターでは「看護師としての経験・資格を生かして訪問看護の仕事にチャレンジしたい」といった方向けに、訪問看護師としての知識やスキルを教える「訪問看護師養成講習会」を実施している。
また、訪問看護師どうしの情報交換の場として交流会を開催する地域もある。

【3】「看護の心」普及事業
看護の道に進みたい学生、社会人のための進路相談を受け付けているほか、毎年5月12日の「看護の日」に合わせて、病院、クリニック、老人保健施設などで看護の一日体験を行っている。

ナース・プラクティショナー

ナース・プラクティショナー(Nurse Practitioner)。
大学院で専門的な教育を受けた、看護師と医師の中間に位置する専門的医療従事者のこと。
主な対象として、比較的安定した状態にある患者にたいする処方や、簡単な治療などの医療行為を医師の指示なしで行うことが可能。アメリカでは上級実践看護師(Advanced Practice Nurse)の一つとして、クリニカル・ナース・スペシャリスト・麻酔看護師・助産師と同様に扱われる。ナース・プラクティショナーは、韓国やタイ、オランダなどでも導入されている。

ナースプラクティショナー

NP(Nurse Practitioner)とも言う。
通常の看護業務に加え、限定された薬の処方や検査の指示を出す権限を持つ看護師のこと。日本ではいまだ制度化はされていないものの、医師不足が深刻化するなかで、看護師が簡単な初期診療を行うことが医師の負担軽減につながるとして注目されている。 海外ではすでにNPの導入が進んでおり、米国では看護師の5%がNPであると言われているほか、韓国やタイなどでもNPの制度が広がっている。
一方、日本では医師法により看護師の診察は認められていない。しかし、都市部から離れた遠隔地や医療過疎地などで必要な医療サービスを提供する体制を整えていくためには、NPの導入が欠かせないとの考え方もある。こういった流れを受けて、2008年、大分県立看護科大学では全国に先駆けてNPプログラムを導入し、NPの養成教育を進めている。

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二次救急

入院を必要とする患者への処置を行う医療機関。またそこで行われる治療のこと。
肺炎や脳炎、虫垂炎といった症状の患者が対象となる。
救急医療体制の一環として、一般の総合病院や国公立病院などの救急指定病院が輪番制で休日・夜間の治療にあたる。

日本看護協会

保健師、助産師、看護師といった看護職員によって組織される、日本最大の看護職能団体。
看護職員の給与水準や労働時間の改善などを目指した活動を行っている。
詳細は看護協会の項を参照。

認定看護師

CN(Certified Nurse)。
熟練した看護技術と知識を用いて、水準の高い看護を実践できる看護師のこと。特定の看護分野ごとに認定される資格であり、日本看護協会が実施する認定審査に合格すると与えられる。

■認定看護師の分野は以下の19領域である
(1)救急看護 (2)緩和ケア (3)訪問看護 (4)不妊症看護 (5)手術看護 (6)小児救急看護 (7)がん放射線療法看護 (8)皮膚・排泄ケア (9)がん化学療法看護 (10)感染管理 (11)新生児集中ケア (12)乳がん看護 (13)認知症看護 (14)集中ケア (15)がん性疼痛看護 (16)糖尿病看護 (17)透析看護 (18)摂食・嚥下障害看護 (19)脳卒中リハビリテーション看護

■各分野で認定看護師が期待される役割は以下のとおり
(1)実践:個人、家族及び集団に対して、熟練した看護技術を用いて水準の高い看護を実践する
(2)指導:看護実践を通して看護職に対し指導を行う
(3)相談:看護職に対しコンサルテーションを行う
認定看護師は、臨床現場での看護の質を上げるため、限られた特定分野における知識や技術を駆使して、実際に質の高い看護を提供したり、一般看護師への指導を行ったりする。認定看護師に似た資格で専門看護師というものがあるが、専門看護師がより良い看護のあり方(看護学)を探る研究的色合いが強いのに対し、認定看護師は現場での実践を重視するという違いがある。

■認定看護師になるには
認定試験を受けるには、保健師、助産師、看護師のいずれかの免許を持ち、実務研修5年以上(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)を経たうえで、認定看護師教育機関で認定看護師教育課程を修了(6ヶ月・600時間以上)する必要がある。そののち、日本看護協会が実施する認定審査(筆記試験)に合格すると認定看護師の資格を与えられる。
なお、この資格は認定看護師のレベル維持のために5年ごとの更新制を採っていて、更新の際は過去5年の看護実践や自己研鑚の実績等の審査を受ける必要がある。

2009年6月16日現在、全国の認定看護師総数は5,794名である。

標準感染予防策

スタンダードプリコーションともいう。
患者や医療従事者を艦船事故から守るための予防策のこと。
感染予防としては、手洗い、医療器具の処理作業(滅菌・消毒等)、器具の正しい取り扱い、患者配置、リネンの適切な取り扱いなどが挙げられる。

プライマリーナーシング

1970年代に米国のミネソタ大学病院から始まったとされている、「受持看護師制」とも呼ばれる制度のこと。1人の患者の入院から退院まで、1人のプライマリーナースが継続して受け持つことで、責任をもって看護ケアを行う看護方式。

プライマリーナース

入院から退院まで一貫してみる(プライマリーナーシングを行う)看護師のこと。

プリセプター

新人看護師(プリセプティー)の教育・指導を行う看護師のこと。主に2〜4年目の看護師がこれに当たる。
1年間の細かい指導内容が決められており、プリセプティーが1人前の看護師として自立できるよう計画し、実施する。
教授者、教師を意味する英語、Preceptorに由来する。

プリセプターシップ

新人看護師が、職場に適応し、職業人として自立できるよう支援する制度のこと。新人看護師一人に対して、一定期間、教育・指導をマンツーマンで先輩看護師が行うことで、深刻なリアリティーショックやカルチャーショックを防ぐことを目的として運用される。

プリセプティー

新人看護師のこと。各プリセプティーにはプリセプターがついて、臨床現場での技術指導を行う(プリセプターシップ)。

マネジドケア

管理医療手法を用いて医療費を抑制することを目的とした医療保険制度。アメリカで創設され、現在多くの国・地域で普及している。
医師の管理強化のため、医師の階層化を行い、社会保障カードで健診やレセプトなどの各種データベースを一元管理し、制限を課すことで、医療費の抑制を図ることが出来るといわれている。
しかし一方で、医師の裁量権が大幅に制限されることや、患者が受けたい治療も受けられないという、過小診療の傾向、また保険者が医療プランを事前に審査する仕組みに対して、審査基準を明らかにしないまま医療行為の必要性を判定することに違法性があるなどという指摘もある。
日本における疾病管理プログラム Disease Managementによる、国家医療情報ネットワーク「NHIN」は平成23年度に完成予定となっている。

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マーゲン

胃を意味する医療用語。ドイツ語のMagenより。
医療現場で用いられる用語には、他にヘルツ、ムンテラなどがある。

メディカルクラーク

医師に代わってカルテ整理、診断書の作成などを行い、医師の事務作業を補助するスタッフのこと。
コメディカル職のひとつ。医師事務作業補助者、医療クラークともいう。

モニター

CRA(Clinical Research Associate)。
臨床開発モニターと呼ばれることもある。
製薬企業やCROに所属し、治験が法律や計画に基づいて実施されているか、収集されたデータが正確かつ信頼性あるものなのかを確認する役割を持つ。詳細はCRAを参照。

リエゾンナース

「リエゾン(Liaison)」とは、橋渡しをする・連携する・つなげるという意味。精神看護の専門看護師をリエゾンナースという。
精神科看護の知識や技術を持ち、障害や疾患をもつ患者とその家族に精神的ケアを行う看護師のこと。他診療科の看護師などと連携し、質の高い看護ケアを提供する役割を果たす。
また、看護師の相談にものり、看護師のメンタルヘルス支援も行っている。

リビングウィル

不治の病気にかかったり傷害を受けたりした場合に、生命維持装置などによる延命治療に対して自分はどのようにして欲しいかを予め「要望書」として意思表明しておくこと。「尊厳死」と密接な関係をもった考え方である。尊厳死宣言や事前宣言書などとも言われる。
延命治療に関するものだけでなく、葬儀の方法や、臓器提供の可否などもリビングウィルのひとつと考えられている。

リンクナース

医療施設のなかで、専門チームや委員会(感染制御チーム、褥瘡対策チームなど)と病棟看護師をつなぐ(リンクさせる)役割を持つ看護師のこと。看護師と他職種とをつなぐ(リンクさせる)という役割も持つ。
感染対策を担当する感染リンクナースや、褥瘡対策を担当する褥瘡リンクナースなどがある。
感染や褥瘡は日常的に対策を行う必要があり、その徹底のためには継続的な教育・指導が欠かせない。そのため、現場の看護師がリンクナースとなってスタッフの指導にあたり、周知と理解を高めることが求められているのである。

臨床検査技師

病院、診療所といった医療機関において、医師の指示のもと、各種検査を行う医療従事者のこと。国家資格。コメディカルのひとつ。
従来、検査の多くは医師が行っていたが、検査の複雑化とともに分業化が進み、現在の医療現場では、臨床検査技師は不可欠の存在となっている。
臨床検査技師が行う検査には以下のようなものがある。

・微生物学的検査:「細胞やウイルスなどについて調べる」
・血清学的検査:「免疫状態を調べたり、輸血の検査を行う」
・血液学的検査:「血液細胞の数や形態を見る」
・病理学的検査:「期間の異常やがん細胞を見つける」
・寄生虫学的検査:「尿、胃液、脳脊髄液などの成分を調べ、寄生虫を見つける」
・生化学的検査:「血液の分析をする」

具体的には、「心電図・呼吸機能・脳波・心音図・超音波・血圧・MRI・血液」などの検査を行う。